オープンテキストは「消費者のエシカル・サプライチェーンに関する意識調査」の結果を発表した。本調査は、エシカル(倫理的)な調達やサプライチェーンの透明性を含む、環境的持続可能性や社会的責任に基づいた企業の取り組みが、消費者の購買行動にどのような影響を与えているかについて調査することを目的に、オープンテキストが日本を含め、カナダ、アメリカ合衆国、欧州5カ国(イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア)などをはじめとする12カ国で、合計27,000人を対象に実施されたもの。
製品の調達にかかわる倫理性を意識する消費者
「倫理的に調達・生産された製品を購入することは重要であるか」という問いに対して、調査対象国全体の81%が「重要である」と回答しており、日本では75%の消費者が同回答。これはアメリカ(73%)、イギリス(72%)、ドイツ(74%)の消費者よりも高い割合となっている。
また、現時点で78%の人が倫理的調達を表明している企業の製品を購入すると答えているが、コロナウイルス収束後に向けた購入意欲では全体で88%と、現時点での購買意欲よりも約10%高いデータとなった。
また、倫理的に調達された製品に関する重要性や購買意欲を裏付けるように、日本の消費者の約7割は、倫理的に調達・生産されたものであることが確認できる製品に対して、「多少の不便(配送の遅延など)が生じても購入する」と回答。調査対象国全体では84%が同回答をしており、世界全体で倫理的なサプライチェーンの重要性が高まっていることが明らかになった。
企業に求められる倫理的取引の仕組みづくりや見直し
「頻繁に購入するブランドが非倫理的なサプライヤーと取引していると非難された場合、そのブランドの製品を購入しない」と回答した日本の消費者は約66%に上り、調査対象国全体の53%より13%高く、調査対象の12カ国の中でインド(71%)に次いで高い結果となった。
また、原材料の調達経路や取引先の調達方法の倫理性が確認できない企業について、「倫理的な取引のために仕組みを見直す必要があるか」という問いに対し、調査対象国全体の約65%が「必要である」と回答しており、日本の消費者約56%も同様の回答をしている。
いずれの調査対象国でも半数以上がこの必要性を唱えており、倫理性を意識したサプライヤーとの取引や調達経路の確認は企業にとって喫緊の課題となりうると推察できる。
さらに、前述の回答を補足するように、日本の消費者の約59%および調査対象国全体の71%が「企業には、自社の取引先が倫理的な行動規範の遵守を保証する責任がある」と回答。
また、「責任ある調達に関して、政府が企業にさらなる責任を課す必要があるか」という問いに対しては、日本の回答者の約56%が同意しており、調査対象国全体では約69%に上り、消費者全体の傾向として企業やその取引先の調達について倫理性の保証を期待していることが示唆された。
具体的には、オンラインストアにおいて「製品が倫理的に調達されているかどうかを表示するべきだ」と考える消費者の割合は、日本(約80%)はアメリカ(77%)より高く、調査対象国全体でも約85%となっており、倫理的調達に関する透明性が求められていることが浮き彫りになった。
「消費者のエシカル・サプライチェーンに関する意識調査」に関して
- 調査対象国:12カ国(日本、カナダ、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、ブラジル、インド、シンガポール、オーストラリア)
- 調査対象人数:合計27,000人
- 調査期間:2021年4月
- 調査方法:オンライン