リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、コロナ禍における外食での飲酒機会の増減やその理由についてアンケートを実施した。同調査結果の詳細は、次のとおり。
コロナ禍以前の飲酒状況、飲酒者は68.3% 最多は60代男性、最少は30代女性
コロナ禍での飲酒機会の増減を調べるにあたり、まずコロナ禍以前(2020年3月以前、以下同)の飲酒状況を聞いたところ、飲酒者・計は68.3%だった。飲酒者の飲酒頻度は「毎日」から「週1回程度未満」まで分散している。圏域別では、首都圏で飲酒者・計が70.8%と3圏域中もっとも多く、一方、東海圏では飲酒者・計が62.0%と3圏域中もっとも少なかった。また、性年代別では、60代男性で飲酒者・計がもっとも多く81.4%。頻度についても「毎日」との回答が32.1%と突出。一方、30代女性では飲酒者・計が58.4%ともっとも少なく、「体質上飲めるが、健康上以外の理由で飲んでいなかった」との回答が22.5%という結果となった。
コロナ禍で「お店で飲酒する機会」が減った人は78.9%
コロナ禍による「お店で飲酒する機会」の変化を聞いた。「減った・計」が78.9%にのぼり、「増えた・計」1.9%を大幅に上回った。圏域別では、首都圏で「減った・計」が80.3%。性年代別では、60代男性で「減った・計」が87.6%ともっとも多かった。一方、「減った・計」が73.2%ともっとも少なかった20代男性で、「増えた・計」が5.0%ともっとも多い結果に。コロナ禍では、コロナ禍以前に飲酒者がもっとも多かった60代男性でお店での飲酒機会の減少幅が大きい一方で、男性ではもっとも飲酒者が少なかった20代男性で減少幅が小さく、むしろお店での飲酒機会が増加している人が全性年代のなかで最多になっている。
「夕方以降の外食」における、飲酒をともなう外食の割合も外食全体と同様に減少傾向
「お店で飲酒する機会」の減少と同様に、「夕方以降の外食」における、飲酒をともなう外食の割合も減少傾向に。全体では「減った・計」が67.2%と、「増えた・計」の4.5%を大幅に上回った。性年代別でも、「お店で飲酒する機会」と同様の傾向がみられ、「減った・計」の最多は60代男性で72.7%、最少は20代男性で56.2%。20代男性では「増えた・計」が12.9%だった。
「飲酒をともなう外食」についての考え、最多は「コロナ禍では飲みに誘うべきでない」48.1%
「夕方以降の飲酒をともなう外食」についての状況や考え方を聞いた。あてはまると回答された上位3回答は、「コロナ禍で人を飲みに誘うべきでないと思う」が48.1%、「お店が時短営業・休業していて、そもそもお店に行ける機会が減った」が41.2%、「コロナ禍で人から飲みに誘われる機会が減った」が38.2%で、コロナ禍での「誘わない・誘われない」ことへの影響の大きさがうかがえる結果であった。なお、飲酒者以外では飲酒者に比べて回答割合の少ない選択肢が多かったなかで、「家族や同居人に感染を広げるリスクが心配である」(27.4%)や「自分が飲みたいと思わないときに無理に飲まなくてもよい社会風潮になった」(16.9%)といった選択肢で、飲酒者の回答に比べ比較的割合が多くなっている。
お酒の代わりに飲むようになった有料のノンアルコールドリンクは「お茶類」が15.2%
コロナ禍前の飲酒者に、コロナ禍以降、外食に際して、お酒の代わりに新たに飲むようになった有料のノンアルコールドリンクを聞いた。「新たに飲むようになった有料のノンアルコールドリンクはない」が49.7%とほぼ半分の割合を占めたが、新たに飲まれるようになったノンアルコールドリンクのトップ3は1位が「お茶類」(15.2%)、「ノンアルコールビール」(13.2%)、「コーヒー」(12.1%)という結果となった。20代の男女では、ほかの性年代よりも「お茶類」「炭酸飲料(炭酸水を除く)」「ジュース類(炭酸飲料を除く)」が多かった。
調査概要
- 調査方法:インターネットによる調査
- 調査時期:2021年6月1日(火)〜2021年6月10日(木)
- 調査対象:首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女(マクロミルの登録モニター)
- 有効回答数:9,851件