博報堂の「博報堂SDGsプロジェクト」は、「生活者のサステナブル購買行動調査2021」を実施した。
サステナブルな購買行動について
「普段、あなたが買物をする際、以下のようなことをどの程度意識して買物をしていますか」との質問に対し、「ミニマル(最小限)」「ロングライフ(長期的)」「サーキュラー(循環)」という全体の傾向に大きな変化はなかったが、「物を買うときには必要最小限の量だけを買う」が4.3pt、「新品を買わずに借りたりシェアしたりする」が2.5pt上昇。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、物を減らしたいと考える人が増加していることも影響していると、調査元では考察している。
性年代別でみると、「不要になったがまだ使えるものは人にあげたり売ったりする」は女性10-30代で7割以上、「新品を買わずに中古品を買う」では男性10-20代で約5割、「新品を買わずに借りたりシェアしたりする」は男女10-20代で3~4割と、それぞれ全体の数値より10pt以上高くなっており、「サーキュラー」や「シェア」に関する行動の実施率は、若い世代ほど高めの傾向が見られた。
時系列比較(2019/2021年調査、対象20~69歳)
性・年代別比較(2021年調査、対象16~69歳)
サステナブル(エシカル)ファッションの購買意識・行動
「普段、あなたが衣料品、ファッション、アパレル商品を購入する際、以下のようなことを意識して買物をしていますか」との質問に対し、購買実態、今後の購買意向ともに、「きちんとていねいにつくられたものを買う」(実態:70.5%、意向:85.8%)がトップに。
購買意向と購買実態の差を見ると「マイクロプラスチックが出ない素材」で39.0ptの差に。「生産者の生活や人権に配慮したもの」(差分35.0pt)、「フェアトレードなどの認証を受けているもの」(34.2pt)、「生産・製造過程で環境に与える影響 を考えて買う」(34.1pt)、「環境・社会問題に積極的に取り組むブランドを買う」(34.0pt)などでも、購買意向が購買実態より35pt近く高く、ファッションにおいても環境や社会、生産者の人権に配慮した商品に対する潜在ニーズが見られた。
購買実態を性年代別で見ると、男性10-20代、女性10代では、「生産・製造過程で環境に与える影響を考えて買う」「環境・ 社会問題に積極的に取り組むブランドを買う」など、環境や生産者に配慮した商品の購買実態が他の年代よりも高くなり、フ ァッションの購買においてもサステナブル意識の高さが見られた。
調査概要
2021年調査
- 調査手法:インターネット調査
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対象者:16-69歳の男女4,125名 直近2~3か月に食品・飲料・日用品・衣料品などを購入した人
※分析時は人口の性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施。数値はWB後を使用 - 対象地域:全国
- 調査時期:2021年1月4日~7日
- 調査機関:株式会社H.M.マーケティングリサーチ
2019年調査
- 調査手法:インターネット調査
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対象者:20-69歳の男女6,000名 直近2~3か月に食品・飲料・日用品を購入した人
※分析時は人口の性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施。数値はWB後を使用 - 対象地域: 全国
- 調査時期:2019年3月14日~20日
- 調査機関: 株式会社マクロミル