市場調査レポートの販売などを行うグローバルインフォメーションは、2025年までのデジタル決済の世界市場について調査を行った。
デジタル決済の市場規模は、2020年の793億米ドルから2025年には1541億米ドルに達し、CAGR14.2%で成長すると予想。デジタル決済推進のための世界的な取り組み、Mコマースの成長を可能にするスマートフォンの普及、eコマースの売上高の増加、インターネットの普及率の上昇などにより、市場の拡大が予測される。
COVID-19のデジタル決済市場への影響
COVID-19の流行は、製造業、物流、ホスピタリティ、輸送、ヘルスケア、小売などの主要セクターの業務に多大な影響を与え、IT・通信、エネルギー・公益事業、政府、教育、BFSIなどのセクターに中程度の影響を与えている。パンデミックの影響により、非接触型およびウォレット決済の採用が加速。eウォレットは、ロックダウンと現金交換の不安から、ピアツーピア(P2P)送金、請求書の支払い、必要不可欠なサービスのためのC2B(Customer to Business)支払いでの利用が増加している。しかし、一部のウォレットプロバイダーは、加盟店や消費者への手数料を引き上げており、加盟店がウォレットを利用した取引を受け入れない状況になっている。
推進要因はデジタル決済推進のための世界的な取り組みと予想
世界各国では、デジタル経済を促進するためにICT技術を導入。各国政府は、決済プロセスをデジタル化するためにさまざまな取り組みを行っている。デジタル決済は、その国の経済にとって主要な成長の必須条件のひとつ。そして、生産性と経済の成長、透明性の向上、税収の増加、金融包摂の拡大など、エンドユーザーへの新たな経済機会を提供する。インド政府は、デジタル決済を促進するためにさまざまなイニシアチブを開始。
このことは、デジタル化を促進し、新技術使用の利点についての認識を高めるのに役立っているという。シンガポールやオーストラリアなどのほかの国でも、さまざまなデジタル決済の取り組みを開始。COVID-19パンデミックの影響で、ソーシャルディスタンスの保持を強化するために、シンガポール通貨庁(MAS)は、個人や企業に対し、デジタル金融サービスや電子決済を利用し、金融機関(FI)への訪問を最小限に抑えるよう促しているとのこと。