ペイパルは、調査会社イプソスの協力のもと、モバイルコマースに関するグローバル調査を、日本を含む11ヵ国のコンシューマー22,000名と4,600のマーチャントを対象に実施。調査結果を発表している。
日本のマーチャントに関する調査結果は、下記の通り。
日本のマーチャントの課題はショッピングサイトのモバイル向け最適化やアプリ対応
調査対象の11カ国中、日本はオンラインショッピングにモバイル端末を現在利用している割合が4位で73%となっているが、好んで使用するデバイスについては、PCが46%、モバイル端末が45%とほぼ同率となっている。北米やヨーロッパの国々では依然としてPCが好まれる一方で、メキシコ、ブラジル、インドではモバイル端末利用がPCを上回る結果となっている。
なお、グローバル平均63%に対し、日本のマーチャントはショッピングサイトのモバイル向け最適化やアプリ対応の割合が49%と、11ヵ国中もっとも低くなっている。
日本のコンシューマーは国内志向 マーチャントは海外顧客取り込みで売上拡大を
日本のコンシューマーで、ショッピングにおいて国内サイト、海外サイトの両方を利用すると答えた割合は20%。これは11ヵ国中、もっとも低い割合となっている。海外サイトを利用する割合が高い国は、イタリア(76%)、スペイン(75%)、オーストラリア(74%)という結果に。
日本のコンシューマーで自国のビジネスを支援したいと答えた割合は57%、さらに、海外のオンラインストアは日本のサイトと比べ信用性が低いと答えた割合は53%に上っている。日本のコンシューマーは、主に国内で手に入らない商品の購入のために海外サイトを利用すると答えている。また、オンライン販売を行っている国内マーチャントの海外顧客による売上構成比は全体の26%で、こちらも11ヵ国中、もっとも低い割合に。ペイパルはこの結果に対し、日本のマーチャントは海外の顧客を取り込むことで売上を拡大する機会があることを示しているとしている。
世界のマーチャントの3割は半年以内にソーシャルコマース対応へ
過去6ヵ月間にソーシャルメディア経由でショッピングをした日本のコンシューマーの割合は27%。年代別では、Z世代(18-24歳)で34%、ミレニアル世代(25-36歳)で32%と、若い世代で高い割合となっている。
ほとんどの国内マーチャントが自社の製品やサービスのプロモーションにソーシャルメディアを利用している一方で、ソーシャルメディア経由での決済に対応しているマーチャントは22%に留まっている。グローバル平均では、およそ3人に1人がソーシャルメディア経由で決済を行ったことがあると答え、世界のマーチャントの約3割が今後6ヵ月の間にソーシャルコマースに対応するとしている。
同社は、日本のマーチャントがモバイルコマースの領域で成功をおさめるには、Z世代やミレニアル世代に代表されるデジタルネイティブ世代を取り込む必要があり、個人情報のセキュリティはコンシューマー、マーチャントの両方にとって最大の関心事になっているとまとめている。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2019年7月23日~8月25日
調査国:11ヵ国(日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、インド)
回答者数:コンシューマー2万2,000人(2,000/国、18-74歳)およびマーチャント4,600社(300-500/国)