ヤフーとZOZOは、ヤフーによるZOZO株式に対する公開買付けの開始予定及び資本業務提携に関する記者会見を9月12日に開催。
同会見では、ヤフー 代表取締役社長 CEO 川邊健太郎氏より公開買付けの開始及び資本提携についての説明が行われ、eコマース事業をメディア事業同様、今後の事業の大きな柱としてより強化する旨と、ZOZOとの資本提携によってもたらされる効果について解説された。
ヤフーとZOZOの資本提携によって両社にもたらされる効果
1. ZOZOTOWNがECモールに初出店
今回の提携により、「ZOZOTOWN」はサービスを継続しながらも、2019年秋よりスタートする「PayPayモール」への出店を行う。出店ブランド・ショップとの協議はこれから個別に行うが、ZOZOTOWNが有する取扱ブランド数7,300以上、出店ショップ数1,200点以上のラインナップを取り入れることで、ヤフーはPayPayモールの商品取扱数増加へとつなげることが可能となる。
2. 購入者数爆増
ヤフーはZOZOに対し、ヤフーのみならず、親会社のソフトバンクグループ、ソフトバンクとヤフーの合弁会社 PayPayからもZOZOTOWNへの送客を行う。これにより、ZOZOTOWNの購入者数を増加させることができるとしている。また、利用者属性が異なるヤフーとZOZOが手を組むことで、両社ともに顧客基盤の拡大も見込めるとしている。
3. eコマース取扱高(物販)爆増
ヤフーは、2013年10月に新戦略「eコマース革命」を打ち出した後に商品取扱高を拡大し、2018年には1兆8,700億円を記録している。ZOZOは2018年に商品取扱高3,231億円を記録、平均20%以上の成長を毎年遂げており、両社の商品取扱高は合算すると2兆円を超える規模となる。
また、川邊氏はトラベル事業における一休のシナジー成功例を挙げ、ヤフーからの送客強化・商品連携により、両サービスの商品取扱高をさらに拡大させることができるとし、2020年代前半にはeコマース取扱高 国内1位を目指すと語った。
4. コマース事業営業利益爆増
上記3点を踏まえたうえで、澤田氏はヤフーにおけるeコマース事業の営業利益は、2020年には現在の1.8倍の規模になることが見込めるとし、メディア事業とeコマース事業の2本柱体制をより強固にしていくと語っている。
また、会見ではZOZOのファウンダー 前澤友作氏により、新たにZOZO 代表取締役社長兼CEOに就任した澤田宏太郎氏が紹介され、前澤氏から自身の今後の進退についても語られた。前澤氏からの挨拶の際には、ゲストとしてソフトバンクグループ 代表取締役会長兼社長 孫正義氏も登場。前澤氏の自筆文字「Let's Start Today」が記されたプライベートブランド「ZOZO」のTシャツをお揃いで着用し、エールを送った。