電通は、日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2018年(平成30年)日本の広告費」を発表した。
2018年(1~12月)の日本の総広告費は、6兆5,300億円、前年比102.2%となり、7年連続でプラス成長となった。なお、2018年の名目国内総生産(GDP)に対する総広告費の比率は1.19%である。
媒体別にみると、前年に引き続き運用型広告、動画広告(SNS上での活用も増加)の成長がさらに加速した「インターネット広告費」は、1兆7,589億円(前年比116.5%)と5年連続で二桁成長となった。構成比も総広告費全体の26.9%となり、前年より3.3ポイント増加。なお、「インターネット広告媒体費」は、1兆4,480億円(同118.6%)と、前年より2,274億円増加した。
一方、「マスコミ四媒体広告費(衛星メディア関連も含む)(※)」は、2兆7,026億円(同96.7%)と4年連続して減少。また、「プロモーションメディア広告費」も、2兆685億円(同99.1%)と、4年連続での減少となった。うち「展示・映像ほか」については、7年連続のプラス成長している。
インターネット広告費の概要は下記の通り。
インターネット広告費:1兆7,589億円(前年比116.5%)
インターネット広告媒体費:1兆4,480億円(同118.6%)
インターネット広告媒体費のうち、運用型広告費は1兆1,518億円(前年比122.5%)を占める結果となった。また、大手プラットフォーマーによる事業は、広告領域だけではなく、AIスピーカーや決済領域、自動運転車への進出など多方向に拡大している。また、本広告費には含まれないが、2018年にはEコマースメディアにおける広告市場も急速に成長している。
インターネット広告制作費:3,109億円(同107.7%)
特に伸長している制作領域は、コンテンツマーケティング(情報記事など)、ユーザーとのコミュニケーションサイト(会員サイトなど)、ウェブ動画(動画サイト、自社サイト掲載用など)、SNSとの連携企画、モバイルサイトなどであった。
※マスコミ四媒体由来のデジタル広告費とは、マスコミ四媒体事業社などが主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費のこと。新聞デジタル、雑誌デジタル、ラジオデジタル、テレビメディアデジタルのことで、これらのデジタル広告費はマスコミ四媒体広告費には含まれない。