同社によれば、ネット上でサイトを訪れたユーザーに対してお店を推薦(レコメンド)する際、 現在最も一般的に用いられている、 協調フィルタリングのようなレコメンド方式では、 類似性に基づく固定的な推薦規範に基づいているため、 必ずしもユーザーの満足度が高いとは言えないとのこと。
そこで今回、人工知能(AI)領域の先端技術である深層強化学習を活用し、 レコメンド方式そのものをコンピューターが自律的に変化させ、 それぞれのユーザーが最大の満足度を得られるようにお店を推薦するために、 明治大学教授の高木友博氏と共同研究を開始した。
高木友博教授は、 計算型人工知能の世界屈指の権威であると同時に、 マーケティング全体の高度デジタル化に関する先端的研究を行いつつ、 多くの企業とビッグデータを利用した共同研究・委託研究において、 豊富な実績を持つ。
本研究の実用化によって、 これまでのように方式が固定された単純なレコメンドではなく、 個々のユーザーのサイト内の多種多様で複雑な行動に対して、 コンピューターがレコメンド方式を自律的に変化させて対応することによって、 満足度を最大化するお店をレコメンドすることができるようになるとのこと。本研究の実用化により、 同社が運営しているクチコミ店舗検索サイト「エキテン」のサイト価値向上にもつながるとの考えから。
深層学習とはニューラルネットワークを多層化したもので、 従来の機械学習で必要であった特徴量(分析データの特徴を定量的に表現した数値)を人が選ぶ工程が不要となり、 認識精度も向上するため、 注目を浴びた学習方式。