訪問者数が急増しているキュレーションメディアは？
ヴァリューズは、ここ数か月で訪問者数が急伸しているキュレーションメディアのサイト訪問者数について調査した。
まずPCで見てみると、旅行キュレーションメディア「RETRIP」が2015年1月時点の訪問者数と比較すると10倍、「TravelBook」は20倍にまで成長している。台湾や金沢など国内外の人気スポットやランチ、スイーツといったグルメ情報などのコンテンツが人気のようだ。また、2015年1月時点でアクセスがなかった女性向けまとめサイト「Marble」が2015年4月頃から少しずつアクセス数を伸ばしており、2016年1月時点では「RETRIP」に迫る勢いにまで急伸している。
スマートフォンでも同様に「Marble」が急伸。2016年1月のデータで、PCとスマートフォンの訪問者数を比較すると、スマートフォンがPCの倍以上となっており、キュレーションメディアはスマートフォンでより閲覧されていることがわかる。
スマートフォンは女性比率と20代比率が高い
ユーザー属性に注目すると、まず性別では、スマートフォンでは女性比率が高いことから、女性はキュレーションメディアを閲覧するのにスマートフォンをよく利用していることがうかがえる。また、車に特化した「Carcast」（PC）や、ゲームに特化した「GAMY」（スマートフォン）は男性比率が非常に高くなっている。
年代別で見ると、PCはどの年代のシェアもほぼ均等なのに対してスマートフォンは20代のシェアが高く、若い世代ほどキュレーションメディアで情報収集をするデバイスはスマートフォンがメインと言えそうだ。
「MiddleEdge」の【あの頃ナウ】機能が滞在時間に影響
平均滞在時間で見ると、PCでは大人のWebメディア「MiddleEdge」がトップで、2番目の女性向け情報のまとめサイト「Jocee」と約2分の差をつけている。「MiddleEdge」は他のサイトにない【あの頃ナウ】という機能（自分の年齢にあわせて、その年代の記事が検索できる）があり、この機能が滞在時間を増やしていることも考えられる。また、スマートフォンはどのサイトも平均滞在時間が1分以上と、PCより長めであることが特徴となっている。
「Marble」の併用率が人気を示す結果に
最後に、各サイトを閲覧しているユーザーが他のキュレーションメディアをどの程度閲覧しているかを示す「併用状況」を分析。軸となるサイトを100%として、他のキュレーションメディアとの閲覧併用状況を集計したところ、PCでの閲覧ユーザーは「RETRIP」を併用している割合が高くなっている。また、「Marble」も比較的併用されやすいサイトのようだ。特にマネーやビジネス情報を扱う「Monkey」を閲覧しているユーザーは「RETRIP」の併用率が47%となっており、親和性が高い傾向がある。
スマートフォンの閲覧ユーザーで見てみると「Marble」と、欲しいモノや体験について調べるサイト「KAUMO」が併用されており、「Marble」はPCと同様にスマートフォンでも人気があることがうかがえる。また、女子向けサイト「美人部」を閲覧しているユーザーは「Marble」（併用率39%）以外にも「KAUMO」（併用率48%）も併用して閲覧。特に20代女性は他の年代と比較すると3つのサイトの併用率が高くなっており、特定のファンを取り込めていることが読み取れる。
【調査・分析概要】
全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2016年1月のネットユーザーの行動を分析。
※調査対象のキュレーションメディアは以下の条件で抽出
PC、スマートフォンともに2016年1月月間訪問者数が10万以上
PC：2015年2月～7月と2015年8月～2016年1月を比較して伸び率が高い上位10サイト
スマートフォン：2015年6月～9月と2015年10月～2016年1月を比較して伸び率が高い上位10サイト（但し、スマートフォンについてアプリは対象外）
※サイト訪問者数はPC、スマートフォンからの各WEBサイトへのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して統計的に推測
※集計対象月は2016年1月（但し、訪問者推移はPC：2015年1月～2016年1月、スマートフォン：2015年8月～2016年1月）
