サイバーエージェントの100%子会社・AI Shiftは、企業の持つデータ価値を生成AIで最大化し、売上向上や業務効率化を加速させるために、日本オラクルと連携すると発表した。
AI Shiftは2024年5月から、生成AI活用の戦略策定からソリューション開発・定着まで、一貫して支援する「生成AIコンサルティング」を提供している。同サービスは、サイバーエージェントのAI技術研究開発組織「AI Lab」における独自の日本語大規模言語モデルの開発知見と、AI Shiftの自然言語処理に特化したAIエンジニアの力を結集し、企業ごとにカスタマイズしたソリューションを提供するもの。
今回、AI Shiftの生成AI技術と、日本オラクルのマルチモーダル・データベース「Oracle Database 23ai」などの製品・サービスを連携させることで、企業のデータ活用を促進し、業務効率化や売上向上を推進するという。Oracle Database 23aiの機能「Oracle AI Vector Search」を利用したRAG(Retrieval-augmented generation)を利用し、機密性の高いデータを安全・安心に大規模言語モデルと組み合わせられるようになるとのこと。
なお、2社は主に次の2領域で協力を進める。
(1)企業データを最大限に活用する生成AI活用支援
2社の多様な支援実績を活かし、企業が持つデータを生成AIで最大限活用するための戦略立案やソリューション開発まで、一貫した支援を行う。
日本オラクルは、Oracle Database 23aiなどの製品と技術を提供しており、Vector Storeや生成AIにも対応している。そのため、生成AI時代のRAGデータベースとして効率的に活用が可能となっている。この特徴とAI Shiftの生成AI活用の技術を掛け合わせることで、企業のデータ資産を最大限に活用できるとのこと。
既に、企業の生成AI活用のロードマップ策定と推進、業務効率化や蓄積されたナレッジの平準化を見据えたエンタープライズサーチの構築などで、連携が進められている。今後は協働での支援範囲がより拡大される見通し。
(2)Oracle Database 23aiとAI Shiftの生成AI技術を融合したエンタープライズAIプロダクト・サービスの開発
「Oracle Database」を用い、AI Shiftの生成AIプロダクト・サービスを開発する。企業がAIの実用化を進める上では、「安全性の観点からデータに制限を設けざるを得ない」「業務で発生した鮮度の高いデータを扱えない」などの課題がある。これに対して、Oracle Database 23aiは次の点で効果を発揮する。
高度なセキュリティ
堅牢性・秘匿性を担保する機能だけでなく、最新のセキュリティ機能が実装されている。社内情報など秘匿情報を取り扱うための安全性が確保されている。
マルチモーダルによるデータマネージメント
- 一つのデータベースで、様々な形式のデータを可用性・拡張性・パフォーマンスを維持したまま利用および管理可能。それと同時に、システム環境をシンプルに維持し、高コスト化を抑制する
- Vector Storeや生成AIなどの技術を包含しており、RAGデータベースとして多面的なデータ活用が可能。また、開発の迅速化や運用負荷軽減が期待できるとのこと