ZOZOは2024年5月9日、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」をリニューアルした。それにともない、同日に記者説明会を実施。代表取締役社長 兼 CEO 澤田宏太郎氏、ブランドソリューション本部 本部長 風間昭男氏、ブランドソリューション本部 WEAR推進部 ディレクター 藤本真美氏、ブランドソリューション開発本部 プロダクト戦略部 ディレクター 福岡明彦氏が、AIを活用した新機能などを紹介した。
澤田氏は、リニューアルの背景について「『niaulab by ZOZO(以下、似合うラボ)』と密接に関連している」と述べた。似合うラボは、ZOZO独自のAIとプロのスタイリストの知見を掛け合わせたリアル店舗。2時間以上かけて、一人の顧客に貸し切りでパーソナルスタイリングサービスを提供する。2022年12月のオープン後、累計応募者数は11万人、累計体験者数は1,000人にのぼる。
ZOZOは、同サービスから「似合うを構成する要素」として次の4つを特定したという。
- ジャンル:「きれいめ」「モード」などファッションの系統を分類したもの
- 味付け:「あっさり」から「こってり」まで、複雑なファッションか否かを星5つで分類したもの
- 与えたい印象:「エレガント」「大人っぽい」など、どのような印象を周囲に与えたいかを分類したもの
- 体型の悩み:「足が短い」「太ももが太い」など、ユーザーが抱える体型の悩みをアイテム選びや着こなしなどでどう解消できるかをまとめたもの
WEARのリニューアルは、これらのうち特に「ジャンル」における独自データの分析結果をベースとしている。説明会では、風間氏と藤本氏がこの前提を踏まえた上で「ファッション診断による好みの数値化」「メイクコンテンツの追加」「ZOZOTOWNとのさらなる連携」の3つのポイントを説明した。具体的な内容は次のとおり。
ファッション診断による好みの数値化
リニューアル後のWEARに初めてアクセスした際、AIを活用してユーザーの好みを分析する「ファッションジャンル診断」が表示される。診断結果は全144パターンあり、ZOZOが似合うラボの知見を基に導き出した12種類のファッションジャンルによって構成されている。ユーザーは、診断結果から自身の好みに近いコーディネートを検索したり、ジャンルを組み合わせて情報を絞り込んだりできる。
メイクコンテンツの追加
これまでファッションに特化したコンテンツを展開していたWEARだが、今回のリニューアルでメイクの投稿や試着が可能な「WEARお試しメイク」をリリースした。ユーザーは、フルメイクをした自身の顔をスマートフォンで撮影することで、ARのデータを登録できるほか、別のユーザーが登録したフルメイクもARで試せる。使用されているコスメがZOZOCOSMEで販売されている場合は、アイテムの画像をタップすれば購入ページへの遷移も可能だ。なお、現時点では80名のインフルエンサーを含む約500種類のフルメイクが登録されている。
ZOZOTOWNとのさらなる連携
ユーザーは、ZOZOTOWN IDとWEARを連携することで、ZOZOTOWN上でお気に入り登録しているブランドやショップのアイテム、過去に購入・お気に入り登録したアイテムを使用したコーディネートを検索できる。同機能について、風間氏は次のように説明している。
「ユーザーが購入済みアイテムの着回し方法を探し、コーディネートから見つけた別のアイテムをZOZOTOWNで購入する流れを想定しています。ZOZOTOWNで購入するほど、WEARのAIによる提案精度が上がる仕組みです。EC機能とメディアの双方をもつ当社ならではの体験だと考えています」(風間氏)
なお、ZOZOは今後、「ジャンル」以外の「似合うを構成する要素」も反映したサービスを展開する予定としている。