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サッポロHD、直接的な顧客接点の強化を目指す・海外事業はM&Aの推進で国内と同規模へ/中長期経営方針

 サッポロホールディングスは2024年2月14日、中長期的なグループ価値向上を目的とした、経営方針を発表した。

中長期的なグループ価値向上を目的とした、経営方針
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 同社は、「サッポロ生ビール黒ラベル」と「ヱビスビール」などの人気ブランドを軸に、多様な「顧客接点・ブランド体験の場」を通じて独自のブランドストーリーを展開。国内市場では、直接的な顧客接点を拡大する考えを示した。

 海外市場では、サッポロブランドのグローバル製造・販売体制を強化、再構築し、世界のサッポロブランドとしての認知度を高めるとのこと。M&Aも拡大推進し、国内と同規模の事業に育てるとしている。

 そのほか、具体的な内容は次のとおり。

事業運営方針

 酒類事業を中核とし、国内では基幹商品への経営資源の集中投下と顧客接点の拡大を進める。それに向け、不採算部門の構造改革や再編に、これまで以上に大胆に取り組む方針。

 食品飲料領域では、酒類事業との一層のシナジーを追求。特に、国内は今後成長が見込まれるRTDやノンアルコール領域を中心にしたシナジー、海外はASEANでの販売シナジー創出の検討を進める。シナジーが実現できない事業は、位置付けを抜本的に見直す考え。なお、同社が保有する不動産は、酒類事業のブランド接点・顧客接点を提供する場と位置付ける。

 グローバル販売強化に向けては、経営体制の再構築を実施。また、グループの資本配分を見直し、サッポロブランド成長へ貢献するM&Aを、これまでにない規模で推進していく。これらに専門性をもって取り組む組織を設置し、スピードと実行力を上げる。

組織運営方針

  1. 一部事業における外部戦略パートナーとの資本提携など、資本効率および経営効率の高い事業形態へ抜本的に変革する
  2. 事業持株会社など、酒類事業を中核とした事業グループに必要な組織の形およびガバナンス体制を検討する
  3. 中長期方針に沿って経営人財要件を見直し、外部人財登用による補完と人財育成制度の再設計を行う
  4. 資本コストに基づいた事業管理・財務運営方針を徹底し、企業価値の最大化を図る

財務方針

 資本効率の改善を重要課題と捉え、ROE10%以上の達成を目指す。また、ROICを社内管理指標とし、事業別のWACCに基づいた事業継続判断基準の厳密化、ROICツリーを用いた事業モニタリングを徹底する。

 外部から取り込む資本を活用して財務安定性を高めるとともに、政策保有株式の削減を前倒し。酒類事業に向けた成長投資の機動力を高めていく。

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