SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzineニュース

アスクル・花王・コクヨ、発注量の平準化に向けた実証実験を共同で実施 輸送台数205台削減などの成果も

 アスクルは2023年8月30日、花王・コクヨとともに「発注量の平準化に関する実証実験」を実施したと発表した。本実証実験は、アスクルが2019年に掲げた「ホワイト物流」推進運動の自主宣言の取り組みの1つ。同社からサプライヤーへの商品発注量を平準化し、物量の波動を吸収することで、輸送車両台数とCO2排出量の削減を目指す。

実証実験の概要
クリックすると拡大します

 本実証実験は、2022年4月から2023年1月の間に行われた。アスクルがEC事業者起点でAIを活用した「発注量平準化のシステム」を開発。サプライヤーの使用する輸送車格(4トン車、10トン車など)と各車格で輸送できる物量(積載可能才数)を本システムに取り込み、1週間分の需要予測・需要変動のデータと突き合わせてアスクルからサプライヤーへ発注した。発注量を「輸送車両の車格単位での発注量」としたことで、発注の時点で高積載となる仕組みを確立し、発注量の平準化を検証した。

 その結果、輸送に用いる車両数を削減し、同一の物量に対して排出CO2を削減するという成果が得られたとのこと。輸送する物量の平準化でトラック積載率が向上し、サプライヤーおよびアスクルの物流センターの庫内作業も効率化された。

 この結果からアスクルは、2023年2月より本実証実験を他サプライヤーにも展開し、取り組みを拡大している。

 アスクルでは元々、消費者の需要変動に応じて「必要なモノを・必要な時に・その都度発注する」発注方法を採用していた。この方法では、発注量が需要に応じて変動するため、日々の発注量が一定でなくなる。そのためサプライヤーは、ばらつきのある発注量に合わせて庫内作業を行う必要があった。

 また、車両もその都度手配するため、サプライヤー側の出荷・輸送工程が非効率であることも大きな課題となっていた。アスクル側も、日々変動する入荷量に対して受け入れ作業を行う必要があり、サプライチェーン全体の生産性低下をまねいていた。さらに、こうした低積載の輸送は、無駄なCO2排出にもつながっていた。

 この状況を受け、輸送車両・CO2排出量削減を目的として、アスクルからサプライヤーへの発注量を平準化する取り組みが開始された。

実証実験期間

2022年4月~2023年1月

各社の役割

  • 花王:出荷サプライヤー
  • コクヨ:出荷サプライヤー
  • アスクル:発注者
発注量平準化フロー
クリックすると拡大します

年間試算結果

  • 期間:2022年5月21日~2023年4月20日
  • 対象:アスクル物流センター、名古屋センター、DCMセンター
  1. CO2排出量を5.1トン削減
  2. トラック台数を削減(4トントラック158台、10トントラック47台削減)
  3. トラック積載率が68.0%から69.7%に向上(対象品が重量物ではないため、容積で積載率を算出)
  4. サプライヤーおよびアスクルの物流センターでの庫内作業の効率化
  • 花王・コクヨ(サプライヤー):出庫、仕分け作業の効率化
  • アスクル(荷主):物流センター内での入庫、在庫化作業の効率化

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

ECZine編集部です。ネットショップ運営に役立つ情報をお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/news/detail/13421 2023/08/31 17:30

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング