モバイルアプリの計測・分析ツールを提供するAdjustとモバイルデータアナリティクスプロバイダーのdata.aiは、最新レポート「モバイルアプリトレンド 2023:日本版」を発表した。
同レポートでは、日本におけるゲーム、Eコマース、フィンテックやCTVアプリのダウンロード数やセッション数トップのアプリ、世代別、男女別でみたアプリ利用傾向、日本とグローバルのパフォーマンス比較、OS別でみたインストール数とセッション数の比率、アプリインストールから30日間の継続率の推移などのアプリカテゴリーのパフォーマンスを分析。日本市場のモバイルアプリの動向と重要なベンチマークをまとめている。
2023年第1四半期は、ダウンロード数、ユーザーエンゲージメント、消費者支出額が急増し、日本のアプリユーザーの全アプリカテゴリーにおける支出額が46億5,000万ドルと前四半期から13%増に。さらに同調査からは、日本のモバイルアプリのインストール数が2022年第4四半期平均と比較して7%増加し、セッション数も伸び、前年と比較してさらに9%上昇したことが判明した。
主な調査結果は、次のとおり。
日本におけるアプリダウンロード数1位は、マイナンバーカードに関連する手続きを行う「Mynaportal AP」。男女別では、男性の利用率1位はTwitter、女性1位はLINEという結果に。Z世代(18-24歳)に人気のアプリは、Instagram、Twitter、TikTok。ミレニアル世代(35-44歳)がよく利用するアプリはLINE、Amazon、楽天市場だった。
日本のモバイルアプリユーザーにとって、引き続き最大の関心事であるデータプライバシーだが、日本におけるiOS App Tracking Transparency(ATT)のオプトイン率は、ほぼすべてのカテゴリーで世界平均を下回っている。日本のユーザーのオプトイン率がもっとも高いのはソーシャルアプリ(37%)で、ゲーム(30%)とEコマース(23%)が続く。
日本のモバイルゲームは、2023年に緩やかに復活の兆しをみせており、インストール数は2022年に減少したにも関わらず、2023年1月には回復。2022年平均を30%上回った。 2023年第1四半期、日本のモバイルゲーマーはゲームアプリへの支出を大幅に増やし、2022年第4四半期に比べて13%増加した。成長率においてはアドベンチャーゲームが目立っており、インストール数で前期比46%、セッション数で16%の成長を記録している。
ゲームの趣向の違いは男女間で明らかとなっており、男性にはシュミレーションスポーツゲームや様々なタイプのバトルゲームが、女性にはマッチングゲームやペットシュミレーションゲームが好まれることが判明した。
また、ペイドインストールの割合の増加から、マーケットプレイスアプリとお得情報アプリの広告予算が倍増していることが見てとれる。インストール数はEコマースアプリ全体の7%ながらも、お得情報アプリの成長が目覚ましく、2022年第4四半期から2023年第1四半期にかけて、インストール数が19%増加。
さらに、一番よく使用されている(インストール数全体の49%、セッション数全体の63%)マーケットプレイスアプリの2023年第1四半期の1日目の継続率は、28%と大きな伸びを見せており、アプリの魅力が高いユーザーエンゲージメントにつながっていることがわかる。
キャッシュレス社会への移行が進む日本では、フィンテックアプリの利用率も過去2年間で増加している。2023年第1四半期のフィンテックアプリのセッション数は、2022年第4四半期と比較して17%増。スマホ決済アプリのインストール数とセッション数のシェアは、77%を占めている。
また、仮想通貨アプリにおいては、インストール数(134%)とセッション数(36%)の両方が増加。継続率においては、2023年第1四半期の1日目に28%を記録している。
コネクテッドTV(CTV)とオーバーザ・トップ(OTT)サービスの急速な普及により、デジタルコンテンツの消費の仕方が大きく変化する日本では、Apple TV ダウンロード数ランキング1位はDisney+、2位はAmazonプライム・ビデオ、3位はNetflixという結果に。日本のユーザーの60%以上が、テレビでYouTubeを視聴すると選択。また、日本のCTV広告市場は、2025年までに1,695億円に達するとの予想も発表した。
調査概要
- 調査対象データ:Adjustの上位2,500以上のアプリとAdjustが計測している全アプリのデータ
- 調査期間:2021年1月~2023年3月
- 調査ジャンル:モバイルゲーム、Eコマース、フィンテック、コネクテッドTV
- 分析方法:data.ai独自のApp IQおよびGame IQ分類法に基づく