日本電気(以下、NEC)とCARTA COMMUNICATIONS(以下、CCI)は、AIを活用した広告考査支援に向けた実証実験を開始した。2025年度中に広告考査支援システムの実用化を目指す。
広告出稿時には、映像や広告素材が、景表法・薬機法などの法規制や、不動産・お酒などに関する各種業界団体が定めた自主規制、さらに各媒体が独自に定めた規定に準拠しているかを、広告代理店・媒体社が確認を行う広告考査と呼ばれる作業が必要とされる。
従来の広告考査業務では多くの場合、考査基準をもとにして目視による広告素材の確認が行われていたが、スマートフォン・タブレットの普及などによりデジタル広告の需要が増加し、作業者の膨大な負担や作業者自体の人手不足が課題となっている。
こうした課題の解決に向け、NECはAIの開発力や放送システムの知見を活用し、CCIはデジタル広告の考査の知見を活用して、各種広告媒体に対応した広告考査支援に向けて実証実験を行う。第1段階として、行う実証実験の内容は次の通り。
実証実験内容
- 広告主体者などの必須ワードや、最大級表現などのNGワードの表記に関するテキスト考査支援
- 企業/商品ロゴやキャラクター識別の考査支援
- 広告画像の枠線検出の考査支援
今後、両社は実証実験などを通じて同システムの開発を進め、広告業務のDX化をサポートするとともに、デジタル広告市場およびテレビ広告市場のさらなる発展に貢献していく考え。
また、同開発では多様な研究・開発のパートナーとの共創により、考査業務のみならず、DX時代に求められる広告に関わる幅広いソリューションの開発を目指すとしている。