企業向け経済インフラプラットフォームを構築するStripeは、OpenAIが画期的なChatGPTおよびDALL・E生成AI技術の商用化を進めるにあたり、決済にStripeを採用したことを発表した。
OpenAIの主力製品をStripeで強化
OpenAIは、Stripeと協力してAI生成技術を商品化しており、Stripeの一連の製品を使用することで、複数の製品ラインを対象としたグローバルな決済システムを数週間で立ち上げることができた。現時点における提携実績は次のとおり。
OpenAIが提供するChatGPTのプレミアムサブスクリプションサービスであるChatGPT PlusにStripe BillingとStripe Checkoutが採用。OpenAIは、Checkoutが提供する事前構築された決済ページを活用し、25通り以上の決済方法のほか、1回限りの購入、月額課金、都度利用などの購買オプションを、世界中の顧客に提供する。
Stripe Billingは、DALL・Eのユーザーに対し、新しい画像を生成できるDALL・Eクレジットを購入するための柔軟な従量制のオプションを提供する。
カゴ落ち防止対策の一環として開発されたStripeの「Remember Me」製品の進化形であるLinkは、OpenAIのユーザーの決済情報を保存して自動入力することで、支払いにかかる時間を平均で約4割削減。OpenAIがLinkのネットワークの一部になったことにより、数千万人のユーザーが、何十万もの企業によって保存されたネットワーク化された支払い情報を使用でき、より速く決済することができる。
Stripe Taxは、OpenAIがグローバル市場に拡大する際に、各国における税務コンプライアンスの責務を果たすことをサポートする。
Revenue Recognitionは、OpenAIの財務管理(大規模な紛争や払い戻しの管理など)を支援し、毎月の帳簿を正確に処理できるようにする。
OpenAI、Runway、Diagram、Moonbeamを含む主要な最先端AI企業の75%がStripeを導入し、迅速な市場参入や法令を順守しながらの事業拡張、そして世界中のより多くのユーザーへの製品提供を実現している。
GPT-4によるストライプの強化
Stripeは、以前からユーザーの不正管理やコンバージョン率の向上など、人工知能を利用して製品やユーザー体験を進化させてきた。昨年、StripeはMicrosoftのAzure OpenAIチームと協力してStripe SupportにGPT-3を実装し、担当者が毎週接する多くのユーザーに対してより迅速に解決方法を特定できるようにした。
今年1月にGPT-4ベータ版を導入したあと、StripeはこのAI技術を活用した業務を合理化し、ユーザーが必要な情報をより迅速に取得できるようにするためのさまざまな方法を特定。この取り組みの最初の成果のひとつとして、Stripeが開発者用に提供している、GPT を利用したドキュメント「Stripe Docs」がある。
このドキュメント強化により、開発者はStripe Docs内で自然言語クエリをGPT-4に提示できるようになり、GPT-4はドキュメントの関連部分の要約を作成したり特定の情報の抽出をしたりして回答することが可能に。これにより、開発者はドキュメントを読むことに使っていた時間を減らし、システム構築に宛てる時間を増やすことができる。