博報堂とBrazeは、パートナーシップ契約を締結し、生活者のニーズをとらえたCRM実現のためのコンサルティングサービスを開始すると発表した。本サービスでは、オンライン上で企業と顧客との間に継続的かつ良好な関係を構築、企業やブランド価値の向上を支援する。具体的には、購買情報をリアルタイムで把握し、最適なキャンペーンの案内や最新の在庫状況を踏まえた商品案内ができるという。各ユーザーがいちばん見ているチャネル、最適な時間帯、頻度、内容を考慮したメッセージ配信なども可能だ。
博報堂は、共同ソリューションの第1弾として、「HAKUHODO Marsys Onboarding(博報堂マーシス・オンボーディング)」のBraze版を開発。2023年3月からサービス提供開始を予定している。
また、同社は本サービスに際して、企業と生活者のオンラインコミュニケーションに焦点を当てたCRM実態調査も実施している。調査では、1人ひとりに合わせた情報提供が、企業やブランド価値の向上につながるという結果が得られた。
企業と生活者のオンラインコミュニケーションにおける実態調査結果
調査に参加した半数以上が、購入までの企業とのオンラインコミュニケーションが、2~3年前と比べて増加したと答えた。「オンライン(インターネットやアプリ)でのコミュニケーションが増えたのは、あなたにとって良いこと(便利、満足なこと)ですか」という問いでは、9割近くが企業との情報接触におけるオンライン化を望ましいと回答している。主な意見としては、「コロナ禍で、なかなか店頭で商品を見て検討する時間が取れないから」「対面では聞きにくいことも、オンライン上だと聞きやすいと感じるから」「こちらの都合の良いタイミングで連絡が取りやすいから」といった声があがった。
こうした中、生活者が企業とのオンライ上でのコミュニケーションで、とくに「わかりやすさ」「気軽さ」「適切な情報」「最適なタイミング」を重視していることもわかった。
さらに、購入した商品・サービスを提供する企業に対して「好感が持てる」と回答した人のうち、その企業が自身のニーズ・好みを理解していると感じている人は7割以上にのぼった。コミュニケーションを生活者自身の望む形に改善した場合には、8割以上が「継続購買意向が高まる」、「企業への信頼度が高まる」などと回答。その企業の印象や関わり方にオンラインコミュニケーションが影響するという結果だった。なお、企業への印象や関わり方が変わると答えた人の割合は、下記選択肢のうちひとつでも当てはまると答えた人の割合である。
- 企業やブランドからの情報や連絡も、より関心を持って受け取りたいと思うようになる/受け取るようになる
- 競合商品よりも少々高くても購入(契約)したいと思うようになる/購入(契約)するようになる
- より継続的な購入(契約)をしたいと思うようになる/購入(契約)するようになる
- その企業やブランドの商品やサービスにより信頼がおけるようになる
- より自分に合った提案をされるためには、ある程度自分の情報を提供することは気にならなくなる
- 企業やブランドと積極的にSNS等で関わりを持ちたくなる/持つようになる
- 自らその企業やブランドについての情報を発信したくなる/発信するようになる
- 企業やブランドのイベントやキャンペーンに、より参加してみたくなる/参加するようになる
- 家族や友人、知人を紹介したいと思うようになる/紹介するようになる
調査概要
調査手法:インターネット調査
実施期間:2022年8月30日(火)~2022年9月2日(金)
調査対象:20~59歳の男女1,000名(全国)
※月に平均1回以上スマートフォンを使いインターネットやアプリ上で買い物を行う。
※調査時直近1カ月以内にスマートフォン上で買い物(低価格帯商材および高価格帯商材)を行った。
※サンプルは令和2年国勢調査の人口分布から性年代の構成比算出の上割付
調査主体:博報堂マーケティングシステムコンサルティング局
調査実施機関:H.M.マーケティングリサーチ