クロス・マーケティングは、2022年9月、「宅配に関する調査(2022年)」を実施し、「宅配」に関わる利用実態や意識・行動などを全般的に聴取した。今回は、コロナ禍の外出自粛にともない利用機会の増えた食材宅配(食品宅配)に着目し分析を行った。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
食材宅配の利用状況
直近3ヵ月の利用率は16%、利用率が高いのは、20代と40代の18%。今までに食材宅配のサービスを利用した人は28%と3割に満たなかった。
利用チャネルは、「生協系」が48%と高く、次いで「スーパー系」「食材系」が2割台。「生協系」は40代以降の中高年層で利用が高い。一方、若年層では「スーパー系」「ショッピングモール系」「コンビニ系」「デパート系」「ふるさと納税」などチャネルが多様化している。
3ヵ月以内に購入した商品は、「冷凍食品」「野菜・果物」「水・お茶などの飲料」が4割台。そのうち“定期購入”している商品は「牛乳など乳製品」「水・お茶などの飲料」「野菜・果物」だった。
利用理由と利用金額、困ったこと・改善点
食材宅配を利用するのは、「重たいもの・かさばるものを届けてくれる」43%と「お買い物が面倒・時間がないとき」39%の理由が高い。加えて60代は「お店では買えない食品」「天候が悪い・体調不良時でも買い物ができる」も3割を超えた。
1ヵ月に使っている金額は、年代が高くなるほど金額は高くなる傾向。20代では「3,000円未満」が53%と半数を超えるのに対し、60代では「10,000円以上」が49%を占める。
利用して困った点は、鮮度や賞味期限、食品袋の損傷や中味のこぼれ、冷凍や生ものの扱いに対する不満があがった。改善点としては、配達日の気温による保冷剤の調整、カタログ写真との差異のない食品の配達、欠品時の早めの連絡などの意見が寄せられた。
未利用理由と今後の利用意向
今までに食材宅配を利用経験のない人では、「配達料金がかかる/高い」「店頭で購入するよりも価格が高い」「自分の目で食材・商品を選べない」という点があがった。特に60代は、「店頭より価格が高い」「自分の目で選べない」が突出して高い結果となった。
今後の利用意向は、全体で25%であり、年代による大きな差は見られない。<図8>
調査概要
- 調査手法:インターネットリサーチ
- 調査地域:全国47都道府県
- 調査対象:20~69歳の男女
- 調査期間:2022年9月27日(火)~9月28日(水)
- 有効回答数:2,500サンプル