LINEは、「LINE Beacon」を活用したデジタル店頭POPソリューション「LINE POP Media」の正式提供を開始した。同サービスでは、店内に設置した「LINE Beacon」を通じて、ユーザーが小売店に来店した際に、LINEのトークリスト最上部にメーカー企業の広告を掲載することが可能となる。2022年6月時点では合計22社、約24,000店舗での導入を予定している。
LINE POP Mediaは、LINEのコミュニケーションプラットフォームとしての規模を活かし、店内にいるユーザーに限定してLINEのトークリスト最上部に広告掲載が可能なサービス。アナログPOPなどの施策をデジタルで代替し、購買直前のユーザーにアプローチする。「今まさに購買をしようとしている」ユーザーに対し、商品棚への誘引や購買の後押しが可能となった、メーカー企業向けの広告サービスとなる。プロトタイプでの実証実験段階では、店内で「LINE POP Media」を通じて企業の広告を受信したユーザーのうち、約53%が広告を認知し、そのうち約75%が今後も広告を受け取りたいと回答している(LINE調べ/2020年3月~2021年8月に行った実証実験12案件の平均値)。
さらに、店内でデジタル広告を展開する同取り組みは、欧米で本格化しているリテールメディア構想を日本国内で先駆けたプロダクトとして、小売企業のメリット創出を支援し、パートナーとしてともに取り組んでいくものを目指しているという。
小売業の人手不足の解消やSDGsへの貢献も実現
小売業では、大きな課題のひとつとして慢性的な人手不足が挙げられ、店舗スタッフのオペレーションの削減が急務となっている。なかでも、店頭販促のひとつとして、紙媒体のPOPの設置などが行われているが、これらの設置は店舗スタッフが手動で行っているため、店舗スタッフの業務過多の要因のひとつとなっており、人手不足の解消のためにも業務の改善が求められている。
同サービスを導入することで、メーカー企業の商品情報やキャンペーン情報がユーザーのLINE上に配信されるため、従来の紙媒体のPOPの設置が不要となり、店舗スタッフのオペレーション削減につながる。紙媒体をデジタルメディアに代替することによって、環境負荷軽減にも寄与することができ、SDGsへの貢献も期待できるとのこと。