在庫分析クラウドサービスを開発し小売業向けに提供するフルカイテンは、同社の開発する『FULL KAITEN』を、カジュアル衣料・雑貨の製造販売を手がけるウィゴーに新たに導入し、システムが稼働したことを発表した。
ウィゴーは1994年に大阪で古着屋として創業し、2018年に会社分割により現在の法人組織へ。2003年に旗艦店となる原宿本店をオープンさせ、2010年には初の海外出店として上海に進出した。現在は古着だけでなく、自ら企画・製造した衣料・雑貨にも領域を広げている。
店舗数が増え売上が伸びていく過程で、同社では次のような課題を抱えていた。
- 在庫の中身を分析する業務の負荷が増大
- 売価変更(値下げ)や特売(期間限定値下げ)の基準が曖昧に
- VMDに売上や粗利益・客単価に対する貢献度が高い商品を反映できていない
- 全社で売上や粗利益を最大化するための在庫移動ができていない
- 在庫に対して、対策が必要な物の早期発見を行い、状況に応じた早期対応を行う事
- 値引きを行う前にできる対策を打ち、適正な場所へ在庫を調整、適正な価格での販売
- 各業務精度・スピードを高めていく必要がある
同社はこうした課題を受け、在庫分析に関する業務負荷を低減させることで、販促施策の立案と実行にかける時間を増やし、売上や粗利益を増やすことができると考えた。その具体的な手段として、プロパー消化率の向上や不要な値引きの抑制、客単価上昇を可能にするFULL KAITENが有用だと判断し、今回の導入を決定したという。
同ソリューションでは、データ集計・分析を自動化するため、業務負荷が大きく軽減できる。このため、導入企業は商品企画や販促施策の立案といった本来の付加価値業務に時間を集中させることができるようになる。
具体的には、特に「クオリティ分析」「ディストリビュート分析」「単価分析」という3つの機能について高い評価を得た。
クオリティ分析
すべての在庫を対象に、在庫リスク(完売予測日)と売上・利益に対する貢献度の2軸で評価し、可視化する。
「Better」に分類された在庫は、隠れた売れ筋商品であるため、販促を強化することで今ある在庫から売上や粗利を増加させることが可能。Better在庫の販促による効果はほかにもあり、プロパー消化率の向上や不要な値引きの抑制も可能となる。
ディストリビュート分析
各売り場(実店舗、EC)の販売力を考慮し、在庫移動の最適な数量と組み合わせを自動計算。これにより店舗在庫の欠品による機会損失が無くなり、店舗ごとに売上や粗利益を最大化させるのに必要な在庫をSKUごとに配分できるようになる。この結果、プロパー消化率の向上にもつながる。
単価分析
セット販売の商品の組み合わせを最適化することで売上や粗利益を最大化する機能。利用企業は、どの商品とどの商品を組合せれば客単価をアップさせられるかをひと目で確認できるため、その組み合わせに基づいてVMD変更や販促企画を立案することで容易に売上や粗利益の増加を実現できる。
そして今回、ウィゴーとFULL KAITENバージョン3.0との間のデータ整備および連携が完了し、システムが稼働したとのこと。