当連載では、オンライン海外市場進出のステップとしてSTEP1「海外ユーザーが日本製品の情報を交換、発信しているコミュニティを発見し、日本製品へのニーズを探る方法」と、「Buyeeのユーザーアンケートから見える海外ユーザーのインサイト」をご紹介しました。今回は、オンライン海外市場に挑戦するSTEP2として、「現地コミュニティを見つけ、アプローチする際に気をつけるポイント」について解説します。
海外市場の理解を深め、ターゲットにしたい顧客の解像度を上げる
顧客が集うコミュニティは、いわゆる「顧客群」と言えます。そのため、オンライン海外市場へアプローチする際には「顧客を知ること」、つまりターゲットが生活する各国独自の風習や宗教・文化によるタブー、言語表現、商習慣、どのような訴求が刺さるのかなどの理解が非常に重要です。
日本でビジネスを展開する場合、情報発信は基本的に日本語を使いますし、宗教的なタブーへの意識も比較的薄いと言えます。しかし、海外市場を見渡せば使用言語のみならず、金銭感覚、文化・風習、商習慣もさまざまです。
たとえば、2021年3月に日本の回転寿司チェーンが台湾でキャンペーンを開催した際に条件に合致させるため、戸籍上の名前を変更する人が続出し、話題となりました。これは、台湾では3回まで戸籍上の名前を変更できることから起きた出来事と言えますが、海外向けビジネスでは、このように「キャンペーンのために名前を変えてしまう」顧客がいるという感覚も理解した上でアプローチを設計しなければなりません。
オンライン海外市場は、いわば国境がないボーダレスの状況と言えますが、ターゲットにしたい顧客の解像度を上げる必要があります。これは、適切なアプローチをする上でも、自社の商品を磨き込む上でも欠かせない視点です。