既存顧客との結びつきをより強めるため メールマーケに本腰を
月間メール配信数41億通、契約数1,700以上の実績を誇る、メール配信システム「Cuenote FC」。メール配信システムとして到達率やスピードを磨き上げるほか、さまざまなメールマーケティング施策に取り組めるよう機能アップデートを行っていることも支持される理由だ。
数ある機能の中でも、特徴的な機能のひとつが「HTMLエディター」だ。コーディングの知識がない人でもドラッグ&ドロップの操作で、HTMLメールを作成・配信できるというもの。デジタルマーケティングにおけるリッチコンテンツの活用が進んでいることもあり、Cuenote FCユーザーのうち、実に4分の3の企業がHTMLエディターを利用していると言う。写真や動画コンテンツが当たり前に消費される昨今、メールにおいてもそのクリエイティブをもって、わずかな時間でユーザーの心をつかまなくてはならない。
「HTMLエディターを提供して約3年になります。グリッド形式のレイアウトにコンテンツを当て込み、余白や色を調整してスタイルを整えるというやりかたで、簡単に素早くHTMLメールを構築することができます。実はHTMLメールは、メーラーによって見えかたにクセがあります。Cuenote FCでは、HTMLエディターの画面上で見た目を整えるだけで、各メーラーのクセに対応できるようにしています。リソースが少ない企業様であっても、少ない工数で目的を達成していただけることを主眼にサービスを作っています」(ユミルリンク株式会社 技術本部 開発部 開発4課 マネージャー 田口和樹さん)
もうひとつのこだわりがデータを活用したメールマーケティングを可能にするオプション機能である。メールマーケティングにおける長年の課題ではあるが、リソースや知見不足による一斉配信はなくなってはいない。こうした状況を踏まえCuenote FCでは、アドレス帳作成やセグメント配信、シナリオ配信などの機能により、よく知られたメールマーケティングの施策をメール配信システム内で行えるよう新機能を開発し続けている。
「Cuenote FCのユーザー企業様は、数百万という会員基盤をお持ちです。そのような大規模な企業様であっても、すべての機能がストレスなく使えるよう性能を重視して作っています。高機能にもかかわらず、お手頃な価格でご利用いただけるのはオープンソースを利用して開発しているからです。最近は、オープンソースでも機能が増えてきたことで、高性能なオプション機能を追加できるようになってきました」(開発3課 スペシャリスト 佐野拓さん)
現場でメールを作成し、配信する担当者に寄り添ったサービスとして、従来から支持されてきたCuenote FCだが、コロナ禍により問い合わせが増加。実店舗の営業自粛や外出自粛が余儀なくされ、ECやデジタルコミュニケーションへの需要が増したことが理由のひとつ。そして、既存のユーザー企業も、既存顧客とのつながりを強化・復活しようと、休眠顧客の掘り起こしを中心としたメールマーケティングでのCRM施策に本腰を入れるようになっていることも大きいと言う。急激な環境変化のもと、マーケティングオートメーションなどの専用ツールを導入していなかったり、使いこなせていなかった企業にとっては、すでに利用していたメール配信システムで、何らかのCRM施策に取り組めたのはありがたいことだろう。
Cuenote FCのオプション機能にさらなる期待が高まるなか、2020年7月に新たにリリースしたのが「Webトラッキング機能」だ。今回はこの「Webトラッキング機能」について、詳しく話を聞いた。
ユーザーの行動をメール施策にも反映 Webトラッキング機能
今回新たに実装された「Webトラッキング機能」は、サイトにBeaconを埋め込むことで、ユーザーの行動をトラッキングし、そのデータを活用してメールマーケティングを行うというもの。
「たとえば、あるキャンペーンを行った際に、そのランディングページを訪問したユーザーに限定してメールを送るといったことができるようになりました。ランディングページにBeaconを埋め込んでトラッキングを行い、Cuenote FCでそのURLを選択してメール配信を行うだけです。さらに、Beaconにカテゴリ情報を埋め込むことで、複数のURLをカテゴリによって分類することが可能です。たとえば、『ぬいぐるみ』と『フード』両カテゴリのページを訪問したユーザーに限定して、メールを送る/送らないといった施策も可能です」(技術本部 開発部 シニアマネージャー 及川英夫さん)
Webトラッキング機能実装の背景には、2019年6月に実装したカートリマインド機能の存在がある。カートリマインド機能は、ECサイトでカートに商品を追加したが、購入せずカートに残ったままにしているユーザーに対して、自動的にメールを配信して知らせるというもの。これは、サイトにBeaconを埋め込むことで実現する仕組みだ。これを応用することで、今回のWebトラッキング機能が実装できたわけだ。
もうひとつ、2020年1月に実装した「シナリオ配信」の存在も大きい。事前に設定したシナリオに基づき、自動でメールを選択し、配信していく機能である。具体的には、あるメールに対して反応したユーザーにはシナリオAのメール、反応しなかったユーザーにはシナリオBのメールといったことが行える。Cuenote FCで実装した機能の中でもとくに反響が大きく、「シナリオ配信機能を使いたい」と指名で問い合わせが寄せられたと言う。シナリオ配信機能を使いこなしていくと、メールへの反応だけでなく、ランディングページへの反応も反映したいというニーズが高まるのは当然だ。そんなユーザーの声に応える形で、Webトラッキング機能が追加された。
「シナリオ配信と組み合わせることによって、たとえばセール告知のメールを送ったのち、商品ページの閲覧があったお客様へクーポンメールを配信したり、コンバージョンしたお客様にレビュー依頼のメールを送るといった活用が可能になります」(及川さん)
良く使われる施策に絞ってメールマーケのハードルを下げる
セグメント配信やシナリオ配信と言えば、一般的にマーケティングオートメーション(MA)が担う役割だ。CuenoteFCは本来メール配信システムでありながら、MAさながらの機能を追加し続けている。今後も、データを活用したメールマーケティングを支援すべく、新たな機能が追加されていくとのことだが、高機能になるほどツールの扱いは複雑になっていく。どのような塩梅で機能の進めていくのだろうか。
「メール配信機能については、その性能の高さから、大規模な企業様にもご利用いただいています。一方で『Webトラッキング機能』をはじめとするMA的な機能は、中小規模の企業様向けとターゲットを定めています。データを活用したメールマーケティングに興味はあるけれども、MAなどの専用ツールを導入していなかったり、使いこなせていなかった企業様に向け、頻繁に実行されるであろう機能に絞って搭載することで、使いやすく実行のハードルを下げています。機能が増えるほど複雑になっていくという課題については、UI/UXの工夫でさらにわかりやすくしていこうと取り組んでいます」(及川さん)
「機能を充実させつついかにシンプルにするか。矛盾したものを追い求める命題だと考えています。その画面を開いた際に『ウッ』となってしまわないよう、最初に見せる機能はできるだけ絞る、機能のレベル分けするといった工夫を凝らしています」(田口さん)
やりたかったメールマーケティングをメール配信システムで手軽に
わずか1年ほどで、カートリマインド、シナリオ配信、Webトラッキング機能と、機能を充実させてきたCuenote FC。まずは使ってみてほしいと、開発を手掛けたメンバーは言う。
「もっとデータを活用したメールマーケティングを実行していきたいけれど、別の専用ツールを入れないと、リソース確保しないと……とさまざまな理由から取り組めていなかった企業様にとっては、こんなに簡単にやりたかったことができるのか!と感じていただける機能だと自負しています。
コロナ禍により、お客様とオフラインで直接接触し、そこで行動変容を促すことが難しくなりました。タッチポイントはオンラインに限定されたといっても過言ではないと思います。新型コロナウイルス感染症の流行が収束したからといって、変わることはないパラダイムシフトではないでしょうか。ウェブ上のタッチポイントを活用し、そこで取得したデータで次の手を打ち、関係を深めていく取り組みはますます重要になるでしょう。Cuenote FCの手軽に行えるメールマーケティング機能によって、皆様のマーケティング、CRM活動をご支援できればと考えています」
「カゴ落ちメール調査レポート」のご紹介
2019年度の国内EC事業者上位50社を対象に、メルマガの配信日時や頻度、HTML活用の傾向等をはじめとしたメールマーケティングのトレンドを独自に調査。自社でのメルマガ施策の策定に、また大手EC事業者がどのようにメルマガを活用しているかを知るツールとして、是非お役立てください。ダウンロードはこちら。