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パーソナライズと分析がコアになければ実店舗のような
接客はできない MILLEPORTEに学ぶMA選びのポイント

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2018/04/25 11:00

 会員数約350万人、扱うブランドは4,000以上、月間開催セールは500を超えるフラッシュセールサイト「MILLEPORTE(ミレポルテ)」。膨大な情報をOne to Oneで届けるツールとして選択したのが、マーケティングオートメーションツール「Probance(プロバンス)」だった。辣腕マーケターのビアンカ・コドニェさんとブレインパッドのおふたりに、MA選択のコツについて語ってもらった。

月間500回以上の期間限定セールを最適な形で伝えたい
MILLEPORTEに聞く、MA活用成功の法則

写真左から、株式会社ブレインパッドデジタルソリューション統括部Probanceグループ コンサルタント 今井 豊さん/株式会社B4F マーケティング・マネージャー ビアンカ コドニェさん/株式会社ブレインパッド デジタルソリューション統括部テクニカルサポートグループ サポートエンジニア 伴野 雅弘さん
写真左から、株式会社ブレインパッド デジタルソリューション統括部 Probanceグループ コンサルタント 今井 豊さん/
株式会社B4F マーケティング・マネージャー ビアンカ・コドニェさん/
株式会社ブレインパッド デジタルソリューション統括部 テクニカルサポートグループ サポートエンジニア 伴野 雅弘さん

  「MILLEPORTE(ミレポルテ)」は、国内外4,000ブランド超のアイテムを、最大80%オフの価格で販売する会員制フラッシュセールECサイトだ。ファッションはもちろん、ライフスタイルやフードなどのジャンルも取り扱う。取材時点(2018年3月)で会員は350万人を数える。毎日新しいセールが10~20も始まり、ひと月に換算すると500回以上も途切れることなく開催されている。

 このように膨大なコンテンツを持つMILLEPORTEは、ユーザーに最適なコミュニケーションを実施するため、2017年6月にマーケティングオートメーション「Probance(プロバンス)」を採用した。同社では、別途メール一斉配信ツールを利用していたが、One to Oneコミュニケーションの実現に向けてMAも追加した形だ。

 Probanceは、データ分析に強みを持つ株式会社ブレインパッドが提供。同社では、2013年3月にフランスのProbance社と販売代理店契約を締結し、マーケティングオートメーションツールの取り扱いを開始していることから、5年の実績を持っていることになる。TSUTAYA、ワコール、高島屋などをはじめとする、導入事例も豊富だ。

 MILLEPORTEを運営する株式会社B4Fは、2010年3月から前身となるサービスを開始し、EC歴は8年になる。2016年からMILLEPORTEのアプリも提供するなど、テクノロジーに強い企業でもある。そんな同社が、数あるマーケティングオートメーションの中からなぜProbanceを採用し、どのように活用しているのか。マーケティングマネージャーのビアンカ・コドニェさんと、同社を担当するブレインパッドのおふたりに話してもらった。

アクションを自動化でき、シナリオ設計に注力させてくれるのがMA

――マーケティングオートメーションは数多くあり、EC事業者はどれを選んでよいか悩んでいます。マーケティングオートメーションにおいて、もっとも重要視すべき機能はなんでしょうか。

今井(ブレインパッド) 弊社がマーケティングオートメーション(以下、MA)の活用においてもっとも大事だと考えているのが、シナリオ設計です。MAには「オートメーション」という言葉が入っていますが、シナリオ設計の部分は自動化されません。事前に人間が作成したシナリオに基づき、起こすアクションを自動化するのがMAです。シナリオがよりよいものであれば、誰に(適切な対象者)、いつ(適切なタイミング)、何を(適切な商品)、どのように(適切なチャネル)を組み合わせた最適なコミュニケーションが可能です。顧客とのコミュニケーションを自動化することで、マーケティングにおける重要な活動である、シナリオ設計に注力させてくれるのがMAというサービスであると考えています。

シナリオの考え方としては、顧客の行動における「購買」という最終ゴールに至るまでの各フェーズで適切な施策を考えるということです。カスタマージャーニーと言われますが、ECサイトであれば、お客様がサービスを認識し、ウェブサイトを何度か訪問し、カートに入れて、商品を購入する……というそれぞれのフェーズにおいて、達成したい目標を設定し、その目標を実現できる施策を考えるのが王道ではないでしょうか。これが決まってから、MAなどのツールにどうシナリオを実装するかを考えていくという順番です。

弊社のMA「Probance(以下プロバンス)」では、たとえば単発の施策「ワンショット」、日次、月次など周期的な施策「レギュラー」、顧客の行動に起因して発動する施策「トリガー」、新着や値下げ商品などマスタ側の項目変化に起因して発動する施策「アラート」などさまざまなシナリオタイプを用意しております。これらを利用することで、シナリオの自動化が可能になっています。

伴野(ブレインパッド) プロバンスはPDCAにおける、DoとCheckの部分、つまりシナリオの実行とその成果レポートの構築までを自動化できる機能が揃っていて、使いやすいと自負しています。MILLEPORTE様のケースでは、ビアンカさんからご要望をうかがい、どうやったら我々がサポートできるかをご提案し、シナリオを追加・変更していく、というやり方で進めています。

ビアンカ(MILLEPORTE) 今井さんがおっしゃったとおり、MAの「オートメーション」という言葉に目が行きがちですが、ツールでは良い/悪いの判断はできず、人間が決めないといけません。ですから、シナリオが重要なのです。カスタマーサポートでも「こういうケースはこう対応しましょう」というシナリオを作りますよね?MAは、そのシナリオをツールに入れると、アクションは自動で行ってくれるというもので、シナリオがなければ動いてくれないのです。

私のシナリオの作り方は、お客様がある行動をとったときに、どんなマインドセットなのかを想像して最初のシナリオを考えるというものです。重要なのは、あくまでそのシナリオは想像でしかないこと。結果を見て、シナリオを少しずつ変えていきます。この改善が重要なので、MAツール選びの重要なポイントは柔軟性だと考えています。それぞれの会社ごとに、ビジネスの特徴はさまざまです。選んだMAが、自社のビジネスに合わせて変えていけるものでないと、長くは使い続けられません。

もうひとつ重要なのは透明性です。データ分析に不慣れな人にはシンプルなツールが好まれますが、シンプルにすると見えない部分が出てくるのです。プロバンスは、シンプルな画面もありながら、すべてのデータへアクセス可能なのが便利です。何が要因となっているか、どんなアクションの選択肢が考えられるかなど、プロバンスから取得できる一貫したデータにより、シナリオをより良くすることに貢献してくれます。

膨大な商品数×1人ひとりのお客様の好み 
ツールがなくては最適な情報は届けられない

――プロバンス導入以前から、メール一斉配信ツールをお使いだったとのことですが、MAを追加で採用された理由はなんですか?

ビアンカ(MILLEPORTE) 弊社はフラッシュセールのECサイトです。毎日10~20の新しいセールが始まり、月500ものセールが動いています。アイテムもそれだけの数があるということです。そして、お客様はセールをお待ちなので、その情報を確実にお届けしなくてはいけないのですが、お客様によってすべてのセール情報が欲しい方と、ジャンルやブランドなど一部のセールの情報だけが必要だという方がいらっしゃいます。以前からもMAツールを使っていましたが、機能の拡大を考え、セグメンテーションだけでなく、個別にレコメンデーションのできるパーソナライゼーションツールの導入を決めました。

数あるMAの中からプロバンスを選んだのは、お客様ごとの好みが分析でき、お客様にあわせたレコメンデーションができるからです。ほかのMAにもこれが可能なものもあるのですが、加えてプロバンスには、先ほど述べたとおり柔軟性があり、改善し続けられる点が良いと思いました。

データには、お客様の反応が出ている、インサイトがあると考えています。プロバンスの施策結果を見ながら分析していると、そのお客様がどんな方なのかがはっきりとわかってきます。この方はヘビーユーザーだけれど、メールはあまり見ない方だとか、お客様によって本当に違います。以前、A/Bテストをしてみてもわからなかったのですが、プロバンスのレポート、蓄積されたデータを分析すると見えてくるので、セグメントによる行動履歴の違いによってお客様に合ったシナリオを実行できます。

今井(ブレインパッド) たとえば、プロバンスには同じカテゴリの別の商品をオススメする同一カテゴリオファーというアルゴリズムがあり、それを用いてパーソナライズしたレコメンデーションを行うと、画一的なものよりは良い反応が出ています。顧客の志向に合わせた施策のほうが反応率は高いです。このようにパーソナライズして成果が出た施策がありましたよね?

ビアンカ(MILLEPORTE)  はい。メールマーケティングのテクニックとして、「件名にお客様のお名前を入れると開封率が上がる」というものがあります。これを見た時に、施策を始めた当初は開封率が上がるかもしれないけれど、結局のところ、メール本文の内容がパーソナライズされていなければ、すぐに飽きられてしまうのではと考えました。メール本文のパーソナライズは、プロバンスを使えば数秒で行えます。「件名にお客様のお名前を入れる」+「メール本文の内容をパーソナライズする」を組み合わせて行った結果、当初より開封率が上がり、それ以降も開封率が高いまま維持できています。

ECで実店舗の店員のようにお客様に接するには分析がコアにあるMAが必須

――プロバンスを使いこなしているという印象を受けましたが、これから取り組みたいとお考えのことを教えてください。

ビアンカ(MILLEPORTE) 今のところプロバンスの配信チャネルとしては、メールのみに絞っているのですが、今後ますますクロスチャネルが重要だと考えています。お客様はメールを見たり、SNSを見たり、ウェブサイトをブラウジングしたり、さまざまなチャネルをお使いで、私たちもそれぞれにタッチポイントがあります。大切なのは、お客様がお使いのすべてのチャネルにいることです。私たちが合わせていかないといけません。MAを使えば、セグメントに合わせたチャネル選択も可能ですし、ひとつのツールですべての施策を実現することで、正確な数値で成果が測れるのではと考えています。

――これからMAを導入する、リプレイスをお考えの読者の方にアドバイスをお願いします。

ビアンカ(MILLEPORTE)  ツールは一度導入すると、別のものに変えるのが難しいので時間をとって検討することが重要です。MAはたくさんあるので、選ぶのが大変ですよね。私もたくさん見ました(笑)。たくさん見て感じたのは、ひとくちに「オートメーション」といってもレベルが違いますし、実施できるキャンペーンの数やシナリオのレベルも異なります。ですからまず、「自分が何をやりたいか」を決めること。そして、「自社のビジネスに合わせられるツールか」を判断することです。たとえば「やりたいこと」がカゴ落ち対策であれば、ステップ1として、カゴ落ち対策ができるツールを探す。しかし将来的に、自社のビジネスの特徴からより高度なシナリオを実施する予定があるのであれば、ステップ3まで見据えてツールを選択する。なぜなら、ツールは頻繁には変えられないからです。

今井(ブレインパッド) ビアンカさんは、やりたいことがはっきりしています。提案AとBをお持ちすると、すぐに「Aをやろう」と決める決断力があります。

ビアンカ(MILLEPORTE)  まず実行してみて、結果を見て改善していけばいいですよね。やってみないとわからないし、グズグズしているだけだと結果も出ません。施策とツール選びの違いは、そこですね。ブレインパッドさんは実績があるので、シナリオのご提案にもその蓄積が感じられます。

もうひとつアドバイスをするならば、改善を繰り返していくためにはツール(テクノロジー)の力が必要だということです。同じセグメントにいらっしゃる方々でも、お客様によって反応が違いますし、セグメントを変更する必要も出てきます。それを人間が毎日計算して、ダウンロード/アップロードを繰り返していると、ミスが起きます。それは絶対避けたいし、それが防ぐことができる最新のテクノロジーを使わない手はないです。プロバンスには機械学習が含まれていてターゲティングしたり、お客様のデータに基づいてセグメンテーションを自動化できるんですよね。そういったテクノロジーを用いているか否かも、ポイントになると思います。

今井(ブレインパッド) プロバンスの機能のひとつに、ダイナミックなセグメンテーションを行えるというものがあります。新規のお客様、サイト訪問やメールへ反応するなどのアクションをしてくださるお客様、ほとんどアクションを起こさなくなった休眠のお客様などでセグメントをすることが可能です。こちらは、EC事業者の皆さんにも参考になるのではと思います。

伴野(ブレインパッド) ビアンカさんはプロバンスを選んだ基準として柔軟性が高いこと、データにアクセスしやすい透明性があることを評価してくださっているとのことでした。でも、なんでもできるからこそ、たとえば設定が面倒だといったデメリットはお感じではありませんか?

ビアンカ(MILLEPORTE)  導入当初は設定するのに時間がかかっていましたが、設定や運用支援をブレインパッドさんにサポートいただいたおかげでそこはクリアできています。

とにかく、MAのコアの部分に、緻密なパーソナライズと分析があるかないかは大きな違いです。メール一斉配信ツールで開封率だけ見ているのではお客様との会話にはなりません。メール配信をパーソナライズして分析してこそ、コミュニケーションしていることになるのではないでしょうか。私たちは、ECサイトを運営していて、実際の店舗を持っていません。お客様を知る機会が少ないんです。お客様を知る機会は、ウェブサイトへの反応、メールへの反応といったところになります。実際の店舗の店員さんのようにお客様に接したいのであれば、一人ひとりパーソナライズして、その結果を分析していけるプロバンスのようなツールが必要だと考えています。

――本日はありがとうございました。

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