北欧、暮らしの道具店・佐藤店長が行くEC女子の道
「人の生活にポジティブな影響を与える仕事がしたい」と20代でさまざまな仕事を経験。31歳の時に、兄妹で北欧雑貨を中心に販売するECサイト「北欧、暮らしの道具店」を開始する。“店長”としてEC運営にまつわるすべてを統括するほか、コラムの執筆や商品写真に登場。ソーシャル活用も積極的で、Instagramの個人アカウントは4万6,000フォロワー(執筆時点)を超える。
人生の迷子だった20代 定職につかず試行錯誤の毎日
――佐藤さんは、31歳で「北欧、暮らしの道具店」を始めるまで、さまざまなお仕事を経験されたと聞いています。なぜ、決まった仕事に就かなかったのですか?
私はずっと、「人の生活にポジティブな影響を与える仕事がしたい」と強く思っていたのですが、それが一体どういう職業なのかがわからなかったんです。
雑貨屋に勤めればいいのか、物書きになればいいのか、はたまたカフェを作ればいいのか、英国リフレクソロジストの資格を取り、癒しのカフェをやってはどうかなど、いろいろと考え、派遣やバイトで、興味のある場所に勤めては転職を繰り返していました。29歳でインテリアの仕事について、少し落ち着いて働くようになるまで、まさに人生の迷子でした。
――“人生の迷子”の頃、どういった気持ちでしたか?
正直に言えば、悔しくて悔しくてしょうがなかったです。「こんなに真面目に、自分の人生と向き合って生きている人間は他にいないのに」って。今振り返ると、人生を模索して苦しんでいるのは自分だけじゃないとわかるので恥ずかしいのですが、当時は角が立っていたので、そんなふうに思っていました。
――ご家族や周囲の反応はいかがでしたか?
親も友達も、「どうしちゃったんだろう」と思っていたんじゃないかな。でも、兄も同じように定職につかず、私の人生の3年先を歩むかのように生きていたので、兄の存在が支えだったのかもしれないです。親から何か言われたら、「私より、先に長男をどうにかしなよ」なんて返していました。そういう意味では、私より兄のほうが追い詰められていたのかもしれません。