ECサイトのコンテンツマーケティングは「仕組み」で勝つ
安藤 「cotta」どうですか?
石川 おかげさまで伸びています。法人と個人のお客様がいらっしゃるんですが、個人が昨対で150%くらいです。
安藤 流入でいちばん多いのは?
石川 実はそこがユニークで、単体だとブログなんです。cotta内に「コレクル」というメディアがあるのですが、ブロガーさん等、コアなユーザーが集まる場になっています。
そうしたコアなユーザーさんに、お気に入り商品を語ってもらうと、僕みたいにお菓子を作らない人間でも、なんか欲しくなるんですよ。これ、コンテンツだなと思いました。実際にやらせじゃなくて書いてもらうと、取り上げられた商品が前週比600%も売れたりして、しかも継続するんです。業務用だから、個人の方には商品の良さがわかりにくい、というのもあると思いますが、それにしてもすごい。いま、盛んにコンテンツマーケティングって言われてますけど、こういう売りかたができるECサイトには、効くと思います。
とはいえ、うちみたいな小さいチームだと、コンテンツマーケティングは仕組み化しないと継続が難しい。仕組み化ができると差別化できて、コモディティ商品を売っていても勝てる。そこで、12月11日にレシピのキュレーションメディア「me likey(ミーライキー)」(β版)をリリースしました。
まず、うちのユーザーさんが、レシピの「ブックマーク」に困っているというのがありました。ブラウザのブックマークだと、デバイスをまたいで使えないし、Evernoteは敷居が高過ぎる。そこで「me likey」で、いいなと思ったレシピを一元管理できるようにしています。それが公開されて、コンテンツになっていくわけです。
次に、クオリティの高いレシピはすでにウェブ上にたくさんあるので、新しいのを作るよりは、すでにあるものの中から参考になる情報を可視化する必要があるんじゃないかと思いました。裏側で、参考になる情報がわかるようなアルゴリズムを組んでいます。そういう「me likey」に来れば、Googleで検索する必要もなくなるんじゃないかな。
加えて、cottaにはすでにキュレーターがいます。先ほどのブロガーさんたちは、毎日のようにお菓子やパンを作っていて、彼らのようになりたい人たちが読者としてついている。この人たちが使えるツールを作ってあげた瞬間に、キュレーションメディアになるなと思いました。
安藤 キュレーションアプリじゃなくてウェブなんですね。それは正しい、ウェブからやるべきだと思います。
石川 久々にこの意見一致しました。誰に聞いても、「なんでアプリじゃないの?」って言われるんです。
安藤 ECのマーケターなら意見が一致するんじゃないかな。ウェブならトラフィック集められますし、アプリはダウンロードの壁がありますからね。