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2025年6月12日(木)10:00~17:25

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飲食店の仕入先の探し方・選び方は?業務用食材のおすすめ通販サイトも紹介


 個人飲食店にとって、仕入れを安く抑えることは、利益の増加に直結する重要な課題です。開店して日が浅く卸売業者や生産者とまだ取引できなかったり、市場やまとめ売りをしている小売店が近くになかったりする場合もあるでしょう。そんなときには、業務用食材の通販サイトという選択肢があります。そこで今回は、飲食店の仕入先を探す方法や選び方、業務用食材の通販サイトを紹介します。

飲食店の業務用食材はどこで調達する?仕入先の種類 

 個人経営の飲食店を開店・運営するにあたり、重要となるのが業務用食材の調達。価格だけでなく、品質や配送方法なども考慮する必要があります。それでは、どのような仕入先から調達する方法があるのでしょうか。主な仕入先となる4種類の方法を紹介します。

近隣の小売店

 一つ目の方法が、近隣の八百屋さんやお肉屋さん、お魚屋さん、スーパーなどの小売店から食材を調達する方法です。近い場所の店舗なら手軽に仕入れができ、手に取って商品を選べる点がメリットといえます。食材が急遽足りなくなったときにも、すぐに調達できるため心強い存在です。

 しかし、小売店は一般消費者向けであるため、大量に調達するには向いていません。また、価格が高くなる場合もあります。加えて、配送に対応していなかったり、月末で締めて翌月に支払う「掛け払い」を受け付けていなかったりするなどのデメリットもあります。

市場

 二つめの方法が、魚や野菜などの市場での調達です。品質が良く新鮮な食材を自分の目で確かめて購入でき、価格交渉もしやすいというメリットがあります。

 ただし、市場には独自のルールがあるため、初心者にとっては気後れすることもあるでしょう。また、近場に市場がないと朝早くから出発しなければなりません。夜間まで営業している飲食店だと時間帯が合わずに、欲しい食材を買い逃してしまったり、身体の負担になったりすることもあります。

業務用スーパー

 次が、業務用スーパーで食材を調達する方法です。大容量・低価格の商品の品揃えに優れています。一般的な小売店では見かけないような、業務用に特化した食材が豊富な点もメリットです。

 一方で、仕入れのたびに店舗へ行く必要があるため、近場に店舗がない場合は負担になるでしょう。また、配送サービスを受け付けていないスーパーだと自身で持ち帰らなければならず、自家用車を持っていないと仕入れが難しいといえます。

卸売業者(通販・店舗)

 最後に紹介するのが、卸売業者から仕入れる方法です。飲食店向けに食材を卸している業者に、ほしい商品を発注して届けてもらうことができます。通販だとインターネットで手軽に発注できるため、より便利ですね。

 事前に見積もりをもらってから仕入価格が決定するため、実際に価格交渉できる点がメリットです。食材の品揃えも豊富で、通販だと遠方の食材を調達できるのも嬉しいポイントです。店舗までの配送や、掛け払いに対応しているなど、飲食店にとって魅力的なサービスも受けられます。

 ただし、実際に手に取って商品を選べない点や、業者によって配送費用がかかる点には注意が必要です。また、発注から納品までのフローが長いため、急に食材が必要になったときには対応が難しい場合も少なくありません。

飲食店の仕入先の選び方のコツ・ポイントは? 

 個人飲食店の仕入先は、前章で紹介したような「小売店」「卸売業者」などがあります。複数の選択肢がある中で、どのように仕入先を選ぶべきなのか、コツやポイントを見ていきましょう。

金額・予算などのコスト面

 仕入れのコストは、利益に直結する重要なポイントです。

  • 品質に対して価格は妥当か
  • お客さまへ提供する際の価格から差し引いて十分な利益が残るか
  • 配送など食材以外のコストがかからないか
  • 自分が訪問して仕入れる場合は交通費がどのくらいかかるか

 上記のようなポイントを見比べて、仕入先を選定しましょう。

食材の鮮度などの品質

 プロとしてお客さまにおいしい食事を提供するためには、食材の品質は見逃せません。

  • 十分な鮮度を保っているか
  • 品質管理を怠っていないか
  • 安全基準を満たしているか

 食材の品質は、お客さまへ提供する食事のおいしさにも直結します。品質の良い食材を取り扱っている仕入先を選定しましょう。

安定した供給

 食材が不足してしまって十分なメニューを提供できないと、お客さまからの信頼を損ないかねません。そのため、安定して供給してくれる仕入先を選ぶことが重要です。

 社会情勢により食材の供給が不安定になることもありますが、そうしたときにも「代替できる食材を提案してくれる」など、サポートしてくれる仕入先だと安心です。

飲食店の仕入れ「通販」を利用するメリットとは

 さまざまな仕入れ方法がある中で、最近主流になっているのが「通販」です。カタログを見てFAXや電話などで注文する方法もありますが、スマホやパソコンなどからインターネット上で注文する方法が多く見られるようになりました。

 通販サイトを使って仕入れを行うメリットは、主に以下のようなものがあります。

  • スキマ時間に手軽に注文できる
  • 品揃えが良い
  • 遠方の食材を調達できる
  • 同じような食材を選ぶ際、複数のサイトを比較しやすい
  • 掛け払いに対応している業者が多い
  • 小ロットに対応している業者も多い

 このようなメリットから、最近では通販サイトから仕入れをする飲食店も多く、今後も利用は拡大していくと予想されています。

【飲食店】業務用食材の通販サイトおすすめ8選

 業務用食材の通販サイトには、いつでも誰からの注文でも受けつけてくれるというメリットがあります。小ロットに対応していることも多く、個人が経営する飲食店にとって利便性が高いことも多いでしょう。その一方で、配送料や配送スピード、支払方法など、店舗運営と折り合いがつくかどうかも確認が必要です。

TASCALL(タスカル)

 TASCALLは、業務用食材を中心に取り扱う総合的通販サイトです。和洋中の食材をはじめとして、調味料、ドリンク、厨房用品、卓上用品、洗剤、消耗品などを取り扱っています。月替わりの特売や在庫一掃セール、アウトレット、早めの注文に対する割引などがあり、100円で1ポイントという値引きに使えるポイントが付与されます。

  • 取扱商品点数:8,500点以上
  • 最小単位:1パックから
  • 注文受付時間:24時間365日
  • 配送料:660円から
  • 配送料無料の条件:冷蔵商品 3,240円(税込)以上から配送料無料/冷凍商品・常温商品 5,400円(税込)以上で配送料無料
  • 配送スピード:最短翌日お届け
  • 支払方法:クレジット、代引き、掛け払い(クロネコ掛け払い)
  • 拠点:三重県鈴鹿市
  • URL:https://www.tasucallshop.com/

食彩ネット

 東証1部上場の株式会社サイネックスが運営する総合通販サイトが、食彩ネットです。和洋中の食材に加えて韓国料理やエスニック料理の食材を仕入れられることと、スイーツに力を入れているのが特徴です。調味料や消耗品、厨房・卓上用品もあり、豊富な品揃え。電話やFAXでの注文も受けつけています。

  • 取扱商品点数:6,000点以上
  • 最小単位:1個から
  • 注文受付時間:ネットは24時間365日、電話は平日9~17時
  • 配送料:770円(別料金以外の地域)、1,650円(北海道、鹿児島)、2,750円(沖縄)
  • 配送料無料の条件:12,000円(税抜)以上(北海道・鹿児島・沖縄以外)、22,000円(税抜)以上(北海道・鹿児島)、32,000円(税抜)以上(沖縄)
  • 配送スピード:最短翌日午前中
  • 支払方法:クレジット、代引き
  • 拠点:大阪府大阪市天王寺区
  • URL:https://www.syokusai-net.com/

MICREED(ミクリード)

 個人が経営する居酒屋を中心とした飲食店への業務用食材の通販サイトMICREED(ミクリード)は、カットや味付け、下処理済みの食材が豊富で、少量パックにも対応しています。特筆すべきは、深夜でも電話注文を受けつけている点です。支払方法も豊富で、購入ごとの支払いに加えて月ごとの請求書払いもできます。

  • 取扱商品点数:4,000点以上
  • 最小単位:1個から
  • 注文受付時間:ネットは24時間365日、電話は深夜2時まで
  • 配送料:680円
  • 配送料無料の条件:8,000円(税抜)以上 ※首都圏でチルド商品であれば4,000円(税抜)以上
  • 配送スピード:最短翌日お届け
  • 支払方法:クレジット、代引き、銀行振込、口座振替、コンビニ、Payアプリ
  • 拠点:東京都新宿区
  • URL:https://www.micreed.co.jp/

Mマート

 Mマートは、グロース市場(旧東証マザーズ)に上場する株式会社Mマートが運営するBtoBの業務用食材通販プラットフォームです。売り手と買い手がサイトを介して売買する方式で、買い手登録は約20万社を誇っています。最小ロットや配送料、支払方法などは出店社によって異なるため、都度確認が必要です。独自のプリペイド「Mコイン」システムがあり、Mコインでの商品購入やアンケートの回答で付与されるポイントをMコインに変換できる点が特徴となっています。

カイコム

 和洋の食材と水産加工品に強いのが、カイコムです。食材もさることながら、業務用の資材に富んでいます。テイクアウトやデリバリー、キッチンカーなどでの販売に使う資材が売れ筋です。環境への配慮と機能を兼ね備えた資材も取り扱っています。

  • 取扱商品点数:7,500点以上
  • 最小単位:1個から
  • 注文受付時間:24時間365日
  • 配送料:700円(別料金以外の地域)、1,100円(北海道)、2,980円(沖縄)
  • 配送料無料の条件:10,000円(税込)以上(沖縄を除く)
  • 配送スピード:最短即日発送
  • 支払方法:Amazon Pay、楽天ペイ、クレジットカード、代引き、銀行振込、コンビニ、掛け払い(末締め翌月末払い)
  • 拠点:東京都文京区湯島
  • URL:https://www.mizunoes.com/

FOODS FRIDGE(フーズフリッジ)

 FOODS FRIDGEは、コーヒーメーカーとして有名なUCCが運営する業務用食材の総合通販サイト。大手が運営する安心感と国内有名ブランドの取り扱いがあることが特徴です。カフェや喫茶店向けの品揃えが豊富で、オリジナルブランド商品も展開しています。

  • 取扱商品点数:3,200点以上
  • 最小単位:1個から
  • 注文受付時間:24時間365日
  • 配送料: 550円(1都7県)、1,100円(その他の地域)沖縄は配送対象外
  • 配送料無料の条件:1都7県5,000円(税抜)以上、その他の地域10,000円(税抜)以上
  • 配送スピード:最短翌日お届け
  • 支払方法:クレジット、代引き、Amazonアカウントでの支払い、請求書払い
  • 拠点:東京都港区赤坂
  • URL:https://foodsfridge.jp/

ロコパン

 ロコパンは、業務用食材のみならず業務用の資材やワインなどを取り扱う総合通販サイトです。ネットスーパーと標榜していることもあり、個人客の多さが特徴的です。飲食店の業態別と一般消費者・家庭での人気商品ランキングを公開しています。食材点数を増やし続けるのではなく、厳選した1万点を取り扱っているのも特徴といえるでしょう。

  • 取扱商品点数:10,000点
  • 最小単位:1個から
  • 注文受付時間:24時間365日
  • 配送料:550円から(本州・四国)、1,100円(北海道・九州)、2,546円(沖縄)
  • 配送料無料の条件:5,400円(税抜)以上(本州・四国)、10,000円(税抜)以上(北海道・九州)
  • 配送スピード:最短翌日出荷(午前0時までの注文分)
  • 支払方法:クレジット、代引き、PayPal、後払い(コンビニ、銀行振込)
  • 拠点:東京都文京区小石川
  • URL:https://locopan.jp/shop/default.aspx

Chef Marche(シェフマルシェ)

 洋食に特化した食材を取り扱う総合通販サイトがChef Marcheです。下処理済みや調理済みの食材からデザート、消耗品、厨房用品まで、幅広く取り揃えています。カット済み、凍結加工、使い切りのための個食パックなどの工夫があり、顧客の要望で開発されたオリジナルブランド商品が全体の40%を超えている点が特徴です。

  • 取扱商品点数:1,300点以上
  • 最小単位:1個から
  • 注文受付時間:24時間364日
  • 配送料:480円から(本州)、680円から(北海道・九州・四国)、1,480円から(沖縄)
  • 配送料無料の条件:常温品3,880円(税抜)以上、冷凍・冷蔵品5,880円(税抜)以上(本州・北海道・九州・四国)
  • 配送スピード:最短当日夕方届け(ウェブから7:00までに注文した場合)
  • 支払方法:クレジット、代引き、銀行振込、口座振替
  • 拠点:東京都千代田区九段北
  • URL:https://www.chefmarche.com/

コストを抑えるためにも最適な仕入先を選ぼう

 食材の仕入れは、飲食店の利益を左右するポイントです。食材自体の価格だけでなく、「交通費がかかる」「手間が多い」「やり取りが多い」といった点でもコストとして考えることができるため、全体的なコストを抑えられる仕入先の選定が重要です。

 小売店や業務用スーパー、市場などの仕入先がありますが、手軽に注文できて店舗まで配送してくれるという面では、通販サイトの活用も一案。数ある通販サイトから、コスト面のほかにも「業態に合った商品があるか」「品揃えが豊富か」「支払い方法はマッチしているか」などの点から、最適な仕入先を選びましょう。

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EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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