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RPP広告とは?低コストで効果的なWEB広告を運用する方法


 RPP広告は、楽天市場内で検索されたキーワードに基づいて広告表示される検索連動型広告です。楽天市場に出店する店舗であれば利用可能で、クリック単価を自社で設定できるため、事業規模に適した出稿が可能です。  今回は、RPP広告の特徴や仕組み、出稿手順などを紹介します。

 RPP広告とは、楽天市場内でキーワード検索を行ったときに表示される検索連動型広告の一種です。従来はCPC広告でしたが、RPP広告では少ない予算での広告出稿が可能なうえ、AIによって広告配信が最適化されます。

 また、運用効果が低い商品を個別に除外設定できるので、無駄のない運用を行うことが可能です。

 この記事では、RPP広告の基本的な仕組みや出稿方法、上手に運用するためのポイントなどを解説します。

RPP広告とは?

RPP広告グラフイメージ

 「RPP広告」とは、「Rakuten Promotion Platform(楽天プロモーションプラットフォーム)」の頭文字をとったもので、楽天市場内に表示される広告のことです。楽天市場内に上位表示される広告であり、PCでは上から3枠、スマートフォンやアプリでの検索時は上から5枠に掲載され、商品情報の上に「PR」と記載されています。

 楽天市場では2018年から広告の運用方法が変わっており、「楽天CPC(Cost Per Click)広告」からRPP広告になりました。

 CPC広告では商品ごとに広告を表示できましたが、RPP広告ではショップ内の全商品がランダムで広告表示されます。RPP広告は検索連動型広告の一種であり、商品に対して興味や関心を持っているユーザーに対して効果的なアプローチが可能です。

 楽天市場で商品を検索しているユーザーにとって、ニーズを満たす商品であれば購入したいと考えるでしょう。ECモールとして多くのユーザー数を抱える楽天市場だからこそ、RPP広告の強みを生かすことができます。

RPP広告の4つの特徴

RPP広告特徴のイメージ

 RPP広告を効果的に活用するには、基本的な特徴をおさえておく必要があります。ここでは、4つの視点からおもな特徴について解説します。

自社に適した予算で出稿できる

 RPP広告は従来のCPC広告よりも、少ない予算で広告を出稿できるというメリットがあります。月予算5,000円から運用が可能で、入札制の仕組みなので、決められた予算の範囲内で広告運用が行えます。

 RPP広告はクリック課金型広告なので、ユーザーが広告を閲覧しただけでは料金は発生しません。

 クリック単価には、商品ごとに単価を設定する「商品CPC」と検索キーワードごとに単価を設定する「キーワードCPC」があります。商品CPCは10円~、キーワードCPCは40円~入札可能です。

初めてでも広告運用に取り組みやすい

 「R-Karte(アールカルテ)」と呼ばれるデータ分析を活用して、検索キーワードやページごとの転換率、客単価などを確認できるため、初めて利用する場合でも広告運用に取り組みやすいといえます。

 また、ほかの広告媒体で広告配信を行う際は、登録や審査などに時間や手間がかかりますが、RPP広告の場合、基本的に24時間以内に配信が開始されるので手軽だといえるでしょう。

商品やキーワード別にCPC設定ができる

 RPP広告では、商品やキーワードごとにCPCの設定が可能です。設定方法はRMS(Rakuten Merchant Server)から直接行う方法と、CSVをダウンロードして行う方法があります。

 いずれの方法でも、特定商品の入札単価を引き上げるために商品CPCを設定することが可能です。商品の広告を見たユーザーが1クリックするたびに何円かかったかを示すのが商品CPCであり、配信の優先度や費用を細かく調整できます。

 注目してもらいたい商品のCPCを引き上げ、費用対効果が見合わない商品のCPCを引き下げることも可能です。RPP広告はすべての商品が配信対象ですが、除外商品(広告を配信したくない商品)をあらかじめ登録できるので、無駄のない広告運用を行えます。

 また前述のとおり、キーワードCPCで特定キーワードのクリック単価を設定することも可能です。CPC設定で特定の商品やキーワードの広告表示を調整できるため、きめ細かな広告運用ができるのです。

パフォーマンスレポートを無料で入手できる

 CPC広告のときは、クリック数に応じてレポートの価格が決められていました。具体的には、16,666クリックを超えると一律10万円を支払わなければ、パフォーマンスレポートを入手できませんでした。

 しかし、RPP広告ではパフォーマンスレポートのダウンロードが無料で行えます。設定した商品またはキーワードごとに、広告表示率やクリック率、注文数、売上金額などのデータを確認することが可能です。また、12時間や720時間の区切りで広告成果を閲覧できるため、短期・長期でパフォーマンスを比較することもできます。

RPP広告を出稿する手順

RPP広告出向手順のイメージ

 実際に出稿を行う手順をおさえておきましょう。おもに4つのステップを経て、RPP広告を出稿できます。

RMSのIDを取得する

 RPP広告は、楽天市場の店舗運営システムであるRMSから出稿の手続きを行います。RMSはショップの立ち上げや受注管理、広告キャンペーンの登録などの作業を行える管理画面です。

 RMSにログインするには、楽天グループと契約したときに付与されるR-Login IDが必要です。公式サイトから取得しましょう。

キャンペーン名を登録する

 RMSにログイン後、「広告・アフィリエイト・楽天大学」>「広告(プロモーションメニュー)」>「検索連動型広告(RPP)」>「キャンペーン」をクリックします。

 「新規登録」をクリックすると、新しいキャンペーンの登録画面に進むので、必要な情報を入力していきます。キャンペーン名は管理しやすい内容にしておくとよいでしょう。

ステータスを設定する

 ステータスは広告配信の有無を設定する項目で、「有効」にすると広告が配信され、「無効」にすると広告が停止します。すぐに配信する場合は「有効」にチェックを入れておきましょう。設定した広告予算はユーザーが広告をクリックするたびに消化されるので、広告に対する反応を見ながら調整します。

予算・CPCを設定する

 継続月予算の欄に1か月あたりの予算を入力します。ステータスが有効の場合、ここで設定した予算は翌月以降も継続的に適用されるので注意しましょう。

 最後に1クリックあたりの入札単価を入力します。最低単価10円〜設定可能です。

 入力内容を確認し、「登録する」を押すと通常24時間以内に広告が配信されます。

RPP広告の3つ注意点

 RPP広告を利用するにあたって、あらかじめ気をつけておくべき点を把握しておくと、未然にトラブルを回避できるでしょう。RPP広告における3つの注意点を解説します。

初期設定だとストアの全商品が広告対象となる

 RPP広告では、初期状態だとショップの全商品が広告対象になっているので注意が必要です。転換率や利益率が低い商品は、個別で除外商品の設定を行う必要があります。

 転換率とはコンバージョンレート(CVR)とも呼ばれ、訪問したユーザー数に対して実際に購入した人の割合を示すものです。パフォーマンスレポートの結果などを参考にして、費用対効果の低い商品を除外しましょう。

レポートも全商品が対象となる

 たとえば、商品Aをクリックした後に商品Bを購入した場合、パフォーマンスレポート内の売上やROASは、最初にクリックした商品Aの成果として計上されてしまいます。

 このように、RPP広告商品クリック後に回遊し、対象でない商品が購入されても広告商品の売り上げとしてレポートされる点に注意しましょう。

月予算を変更したいときは注意が必要

 RPP広告は予算消化型広告であり、出稿するときに月予算を設定します。先述のとおりRMS上で設定を変更しないかぎり、翌月以降も当月決めた予算が適用されます。

 継続して運用する場合は、月予算に変更がないか確認してから運用するようにしましょう。

RPP広告で成果を高めるポイント

 RPP広告は少ない予算でも出稿できるため、初めてでも安心して取り組めます。RPP広告にある程度慣れてきたら、さらに効果を高めるための施策も実行してみましょう。

CVRを基準にして売れ行きを判断する

 CVR(コンバージョンレート)は先に述べたように、クリック回数に対して購入された件数をもとに算出されます。つまり、CVRが高いということは、それだけ売れている商品だと判断できるでしょう。

 商品の売れ行きに関する判断はCVRをもとに行い、パフォーマンスレポートの結果なども踏まえながら、商品のラインナップを調整していくことが大事です。

レポートの分析をしっかりと行う

 パフォーマンスレポートには、広告のクリック率や予算の消化率など、広告運用に関するヒントがたくさん盛り込まれています。特に予算消化、や広告経由アクセス数、広告経由売上額、ROASなどの指標に注目しましょう。

 ROAS(ロアス)とは、「売上高広告比率」のことを指し、WEB広告経由でどれくらい売上があったかを示す指標です。計算式は「売上高÷広告費×100%=ROAS」で、100%以上であれば黒字であることを意味しています。

 ただし、あくまでも指標の一つであるため、ほかの指標も参考にしながら商品ごとの費用対効果を考えていく必要があります。

除外リストを活用して無駄なコストを削減する

 ROASの数値や利益率が低い商品は、RPP広告の対象から除外する方が効率的な広告運用を行えます。除外商品の設定方法は、RPP広告の管理画面から「除外商品」をクリックして、ファイルフォーマットをダウンロードし、除外したい商品を記載してアップすれば設定できます。

 広告予算ばかりを消化して売上につながらない商品が多いと、本来重点的に広告予算をかけるべき商品のプロモーションが十分に行えません。定期的に運用結果を確認して、除外すべき商品がないかをチェックしましょう。

まとめ

 RPP広告は楽天が行う検索連動型広告の一種ですが、従来のCPC広告よりも少ない予算で運用することが可能です。また、運用結果をまとめたパフォーマンスレポートも無料で入手できます。

 商品ごとの反応を見ながら、費用対効果の低い商品は除外商品として、広告配信の対象から除くようにしましょう。

 細かな設定も行えるため、楽天市場での広告運用においてRPP広告は大きな力を発揮することが期待できます。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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