前回の記事では、お客様のことを知る方法であるアンケートの意義や正しいアンケートの取りかたについてお伝えいたしました。
お客様のことをよく知り、理解することで、ニーズにきちんと応えることができ、顧客満足度も上がります。顧客満足度が上がれば、お客様がリピートする回数も増えるため、顧客単価向上にもつながります。
これまで顧客満足度を上げるための視点やアプローチ方法をいろいろとお伝えしてきましたが、「梱包」も重要なポイントのひとつです。ECサイトで商品を購入したお客様の期待がもっとも高いのは、商品が手元に届き、箱を開ける瞬間です。お客様と商品そのものが触れ合う場面の顧客体験を作り上げる上で欠かせない梱包でできる工夫について、今回はお伝えします。
「ただ包むだけ」ではない梱包の重要性
物流文化が異なる海外、とくにアメリカなどでは「商品の中身さえ良ければ梱包は気にしない」というお客様も存在するそうです。しかし、安心安全に荷物が届くことが当たり前と言える日本でビジネスをする上では、商品そのものの美しさ同様、梱包資材での差別化も欠かせません。
かつては中国なども「ただ包むだけ」といった梱包が主でしたが、EC化率の上昇や日本など他国のECサイトから影響を受けたのか、丁寧かつきれいな梱包を行うケースが増えてきています。たとえ、丁寧できれいな梱包で荷物が届く文化がない海外のお客様であっても、粗雑な梱包よりは見ためが良い梱包のほうが喜んでもらえる可能性は高いでしょう。好感度が上がれば、リピート購入につながるかもしれません。
梱包はいまやECサイトが提供する世界観のひとつとして重宝されています。とくに初回購入のお客様にとっては、実際にあなたの会社の商品に直接触れる初めての機会です。ECで商品を販売するだけでなく、「待ちに待った商品が届いた」という高揚感にどのように応えるか、商品を通じて幸せな体験をどのように提供するかを考えるのも私たちの仕事と言えます。
いくら見ためがきれいなECサイトを構築し、品質の高い商品を提供しても、直接の接点となる顧客対応や梱包が粗雑であるとお客様はがっかりし、離脱してしまいます。一度印象を悪くしたお客様から継続購入いただくことは非常に困難となるため、もちろんリピートにもつながりません。
梱包は箱の内部だけでなく、お客様が受け取るその瞬間に目に触れる部分にも独自の工夫が可能です。配達員の人がお客様のもとに商品を届けるその瞬間からどこに目がいき、何か感じるかを思い浮かべこだわり抜いていきましょう。