最近、見かけることの多くなったウェブプッシュ通知サービス。やたらと登録のダイアログが出て、邪魔なぐらいですよね。邪魔にならずにユーザーにメリットをもたらすような、効果的な運用方法とは。ウェブプッシュ通知サービスを提供する、アッションさんにお聞きしました。
対応しているブラウザはChrome、Safari、Firefox。iOSは未対応。
森野(運営堂) そもそも、ウェブプッシュ通知サービスって正式には何というのですか?
坂田(アッション) ウェブプッシュもしくはブラウザプッシュですね。英語の“web push notification”という言葉からなので。
森野(運営堂) なるほど。似たようなツールで比較されやすいのは、メールやLINE@あたりですか? SNSはちょっと違うような気がします。
坂田(アッション) サービス側がユーザーとコミュニケーションを図りたいときのタッチポイントとしては、おそらくSNSも一応比較対象にはなります。ただ、メッセージを送る意味ではLINE@、LINEコネクト、ダイレクトメールあたりで、あとはアプリのプッシュです。スマホの場合に限っては、見えかたもほとんど変わりませんので。
森野(運営堂) 確かに、アプリのプッシュとの比較が一番わかりやすいですね。アプリはどうしてもインストールという高いハードルもありますし、開発にもアップデートにも費用が掛かってしまいますよね。
坂田(アッション) さらに、それを毎日使うというハードルもあると思います。おっしゃるようにサービス側もしくは企業側からすると、アプリをまず開発する初期コストがすごくかかります。iOS、Android向けを作るとなるとなおさらです。ウェブプッシュの強みとしては、そういったところがないのが第一です。実装もタグを入れるだけなので、Google タグマネージャーなどを使えば5分で終わってしまいます。
ウェブプッシュはブラウザに依存するので、ブラウザがアップデートするタイミングで新しい機能が追加されることもありますが、基本的にアプリのように、インターフェイスがおかしくなるというところまではいきません。そこが大きな違いかなと思います。
森野(運営堂) 対応しているブラウザは、Chrome、Firefox、Safari、Operaあたりでしょうか?
坂田(アッション) そうですね、Chromiumベースになっているブラウザ系であれば、かなり対応しています。Chromeのシェアがどんどん伸びているので、ウェブプッシュサービスの可能性は、ますます大きくなっていくのかなと思います。ちなみにIEは使えず、Edgeはこれから対応する予定です。
残念ながら、現状、iOSに対応していないことが唯一の弱みです。とくに日本のマーケットは、やはりiOSの割合が多いですから。クッキーをベースにしていますので、パソコンが変わってしまったり、クッキーを削除された場合もダメです。
森野(運営堂) 業種で言うと、メーカーや金融、大手企業はIEを使っていますから、こうしたユーザー層に弱いともいえますよね。導入時に、このあたりは確認されるのでしょうか?
坂田(アッション) 基本的に、当社のセールスフローの中には必ず、シミュレーションと現状のブラウザの割合、ときにはデバイスの割合、新規のリピーターの割合も見て、どういった推移でサブスクライバー(登録者)数が増えていくのか、そこの費用対効果も見極めていきます。
森野(運営堂) やはり新規・リピートの率は見るんですね。
坂田(アッション) はい、リピーターはサイトへのロイヤリティも高いので、通知登録してもらいやすいです。とくにECサイトの場合、常にサイトで購買を繰り返している人に対して、アップセル、クロスセルを狙った販促的なこともウェブプッシュで行えます。ですから、新規・リピーターの率を最初に理解しておくことも重要です。
新しいチャネルをひとつ確立するのは、コストがかかることです。シミュレーションで、ある程度の母数が、つまりこのサービスを使うだけのパイが集まるかどうかは、最初に見極める必要があると思いますから。