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ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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ECzine Day 2025 June【オンライン+スタジオ観覧型イベント】

2025年6月12日(木)10:00~17:25

ECzine Day 2025 June レポート(AD)

アプローチ先を見誤っていないか リピート促進が難しい時代に購入確率を上げる本来のECマーケティング術

 日々、様々な情報を目にしている現代の顧客。こうした中で、“衝動買い”のきっかけも増えたのではないだろうか。顧客が離脱しやすくなり、企業によるリピート促進が難しい時代になったといえる。そんな中で、どうすればLTVを向上できるのか。2025年6月12日開催の「ECzine Day 2025 June」では、EC運営やD2C事業の総合支援を手掛ける株式会社いつも 事業推進本部 戦略開発ユニットリーダー 田中宏樹氏が登壇。企業が見落としがちなポイントを解説した。

なぜリピートにつながらないのか まず明確化すべきポイント

 今や、当たり前の販路となりつつあるeコマース。しかし、その分ライバルが増加し、売上が頭打ちになっているケースは珍しくない。自社なりの運営方法を模索し続けている人も、多いのではないだろうか。

 様々な企業のECモール運用や広告運用、フルフィルメント面のサポートといったEC総合支援を手掛けるいつも.は、2007年の創業以来、1万3,000件以上の支援実績を有するなど、多くのブランドの成長を支えてきた。昨今は、2025年6月30日に日本でサービスを開始した「TikTok Shop」活用をはじめ、ソーシャルコマース支援にも力を入れている。これらの経験で培われたノウハウをもとに、田中氏はEC市場が直面している課題の解説から講演を始めた。

「売上成長を阻む大きな要因は、やはり競争の激化です。楽天市場で販売されている商品数は、5年前と比べて約2倍にも増えています。それだけ、ブランドが増加しているのです」

株式会社いつも 事業推進本部 戦略開発ユニットリーダー 田中宏樹氏
株式会社いつも 事業推進本部 戦略開発ユニットリーダー 田中宏樹氏

 加えて、「顧客接点の分断」も解決すべき課題の一つだ。従来は、広告やECサイトを通じて、認知・比較・購入・リピートといった流れが生まれていた。ところが昨今は、SNSの普及によって、顧客が情報を得る場所が多様化している。つまり、離脱やブランドスイッチのきっかけが増えたといえる。

 さらには「ChatGPT」などによるAI検索の利用も増加傾向にあるという。「今後は、AIに選ばれる施策も考えなければならない」と田中氏。そうした中、「TikTok Shop」のサービスが日本でも始まるなど、国内のEC市場は大きな転機を迎えている。

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 このように顧客との接点が増えると、マーケティング施策の効果をはかるのも容易ではない。田中氏は「様々な指標が乱立している」と指摘する。

「現場では『どの数字を見れば良いのかわからない』という声も多いです。施策が複雑になりすぎて『誰に売るべきか』が見えないまま実行しているのが、現状だといえます」

 その上、いつも.の調査によると、顧客が「ブランド指名」で買い物をする割合は30%にとどまる。残りの70%は非計画購買だ。

「今後、生成AIやTikTok Shopの台頭で、ブランドを決めないで買う“衝動買い”がさらに増える可能性があります。それにより、リピートの促進はより難しくなるでしょう」

クリックすると拡大します

 従来のやり方では、この変化に太刀打ちできない。実際、毎年同じようにPDCAを回して結果につながらず、疲弊しているEC・マーケティング担当者も多いだろう。では、現状を打破するためには何が必要なのか。

「施策の成果が得られないのは、部分最適だからです。本質を置き去りにして、数値ばかりを追う習慣が根付いている。それが、EC運営の現場の現実ではないでしょうか。重要なのは、顧客との直接的な関係構築です。マーケティングは、買ってもらう相手の明確化から始める必要があります」

次のページ
本来アプローチすべき層はどれ? マーケティングの落とし穴

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この記事の著者

加納由希絵(カノウ ユキエ)

 フリーランスのライター、校正者。地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社いつも

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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