中国消費者向け日本商品特化型越境ECプラットフォーム「豌豆(ワンドウ)」を運営するインアゴーラは、2021年8月30日より、アリババグループが運営する中国大手ECプラットフォームの「天猫(Tmall)」に、ジャパニーズウイスキー初のブランド旗艦店「三郎丸旗艦店」を開設したことを発表。
三郎丸蒸留所を運営する若鶴酒造は、1862年創業の富山の酒蔵。ウイスキー蔵を併設し、冬に日本酒を仕込み、夏にウイスキーを蒸留。日本酒に加え、希少価値が高く良質なウイスキーを造っている。比較的小さな蒸留所でありながら、三郎丸ブランドを中心とした複数ブランドを展開しており、独自のこだわりを持ってジャパニーズウイスキーを生産できる数少ない日本の蒸留所として注目を集めている。2020年11月に蒸留所改修後初となるシングルモルトの発売を期に、日本で初めての原酒交換、ボトラーズ事業をはじめとした、クラフト蒸留所として多くの先進的な取り組みを実施している。
インアゴーラでは、三郎丸蒸留所と歩みを合わせ、「三郎丸」ブランドを中国で育成すべく、これまで1年に渡り、中国のウイスキーファンに向けて、さまざまなSNSプラットフォームにて情報発信によるファンの獲得を行ってきた。30代40代の嗜好性の高い男性向けに「一条」というライフスタイルメディアでの記事投稿や日本でのインスタグラムにあたるRedbookでの写真や動画投稿などを通して、広く情報発信を行い、認知拡大のための基盤づくりを行うことで、「三郎丸」ブランドの確固たるポジショニングを確立し、今回のブランド旗艦店開設に至った。
国税庁が2021年2月に発表した酒類の輸出動向についてのレポートによると、酒類の輸出については、清酒(日本酒)やウイ スキー等の日本産酒類の国際的な評価の高まり等を背景に、近年は大きく伸長を続けており、2020年の品目別輸出金額は、ウイスキーが対前年比 39.4%増と最も大きな伸びを記録。中でも中国が輸出金額第1位となっており、中国市場でのウイスキー需要が高まっている。 日本同様、中国でも高まるウイスキーニーズを背景に、これまでインアゴーラがさまざまな情報発信により認知拡大のためのファウンデーションづくりを行い、ジャパニーズウイスキーでは天猫(Tmall)初のブランド旗艦店「三郎丸旗艦店」開設に至った。オンライン販売のみならず、オフライン販売にも波及効果を広げ、より多角的で立体的な中国展開を行い、これを成功事例として、中国未進出ブラン ドを中国で育成する新しいブランドインキュベーションの形を構築していく考え。
天猫(Tmall)におけるウイスキーブランドの旗艦店出店事例は、世界数々の大手ウイスキーブランドの中でも、マッカラン、ジョニーウォーカー、ジャックダニエルなど、7社程度(同社調べ)。流通量の多い大手メーカーではなく、「クラフト」ウイスキー蒸留所がブランド旗艦店を出店したことは、今後のジャパニーズウイスキーの中国展開においても大きな意味を持つとインアゴーラは考察している。