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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzineニュース

野菜訴求食品市場、2020年は健康意識で5,830億円 2021年は横ばい見込み/富士経済

 富士経済は、健康志向で野菜摂取ニーズが高まる一方、共働きや単身世帯の増加で調理に対する簡便性ニーズが高まったことから需要が増加している、野菜を訴求した市販用加工食品の国内市場を調査、その結果を「素材志向を捉える野菜訴求食品市場分析」にまとめた。

  2020年 2019年比 2021年見込 2020年比
低加工野菜 2,070億円 104.0% 2,085億円 100.7%
素材系野菜加工品 1,373億円 103.1% 1,386億円 100.9%
野菜系飲料 2,082億円 101.3% 2,052億円 98.6%
野菜使用調理済食品 305億円 110.5% 308億円 101.0%
合計 5,830億円 103.1% 5,831億円 100.0%

野菜訴求食品市場

 市場は近年、下処理の手間を省け、フードロスを避けられることから、生鮮野菜から代替する消費者が増加しており、堅調に拡大している。

 2020年は外出自粛による運動不足などから食事面での体調管理や健康維持に対する関心が高まり、生鮮も含めて野菜需要が全体的に増加したことから市場は前年比3.1%増の5,830億円となった。2021年は一部の品目で前年の反動減が見られるものの、野菜摂取という健康性や調理の簡便性、保存性に対する認知が消費者に進んでいることから、市場は横ばいを維持するとみられる。

低加工野菜

 低加工野菜はカット野菜や冷凍野菜、焼き芋(生鮮売り場で販売されるもの)など、特別な味付けをせず、生のままカットまたは皮むき、茹で、冷凍などの処理がされている商品を対象としている。調理時間の短縮や必要な分だけ使用できるニーズにマッチし、食事メニューの素材やプラス一品として生鮮から需要がシフトしている。生鮮野菜との価格差よりも使い勝手をメリットと捉える消費者が定着しているほか、供給側では生産設備の強化やチャネル・売り場の新規開拓も進んでいる。焼き芋は素材系スイーツとして人気が高く、通年販売化も進むなど近年好調を維持している。

 2020年は自宅でのサラダや野菜料理の喫食頻度が高まり、生鮮野菜の価格は安定していたものの、カット野菜は都度使い切り需要、冷凍野菜はストック需要を獲得していずれも伸長し、市場は前年比4.0%増となった。2021年は冷凍野菜が前年の反動により減少するものの、一部品目では生鮮野菜からのシフトが続いており、焼き芋も続伸していることから、市場は僅かではあるが前年を上回るとみられる。

素材系野菜加工品

 素材系野菜加工品は漬物や水煮、素材缶詰(パウチ、紙パックを含む)など、塩漬けやみそ漬け、水煮にすることで保存性を高めた商品を対象としている。市場は近年ほぼ横ばいで推移してきた。

 2020年はキムチの免疫効果がメディアで特集されるなどしたことから漬物が伸びたほか、素材缶詰が上位企業によるアイテムの拡充やプロモーション強化により伸長したことから、市場は前年比3.1%増となった。2021年は漬物や素材缶詰の伸びが落ち着いていることから、市場は僅かに前年を上回る程度にとどまるとみられる。

野菜系飲料

 野菜系飲料はトマト飲料や野菜飲料、果実野菜混合飲料など、野菜原料をメインとする飲料を対象としている(粉末・冷凍タイプは対象外)。野菜不足を手軽に解消でき、野菜嫌いの子どもにも多種の野菜を摂らせることができるなど、幅広い層に野菜代替のイメージが浸透している。市場は近年、機能性表示食品の登場やスムージーブームにより拡大してきたが、2019年はスムージー需要の一巡や、野菜の手軽な摂取手段の多様化、豆乳やプロテイン飲料などの野菜訴求以外の健康飲料の台頭などから需要が流出し前年割れとなった。

 2020年は在宅勤務や休校などで外出機会が減少したことからCVSなどで売れていたパーソナルタイプが伸び悩んだが、自宅で過ごす時間が増えたことからファミリー用やデイリーユース用の大容量タイプを中心に伸長し、市場は拡大した。2021年は健康効果を期待した需要が伸び悩んでおり、加えて大容量タイプが前年の反動により減少していることから、市場は前年を下回るとみられる。

野菜使用調理済食品

 野菜使用調理済食品は惣菜・サラダメニューのうち野菜をメインに味付けや加熱処理された加工食品と、“1日分”や“1/2日分”などと野菜量を明確に訴求する調理済食品を対象としている。近年市場はサラダ類が常備菜として定着したほか、和惣菜でも2017年に発売されたフジッコの「おかず畑 おばんざい小鉢」シリーズが生産とプロモーションの強化によって年々伸長したことで、堅調に拡大してきた。

 2020年は常備菜としての定着に加えて、内食機会が増加したこと、買い物頻度が減少するなか日持ちの良さからストック需要を獲得したことで、市場は前年比二桁成長となった。また、健康維持のためにバランスのよい食事への意識が高まったことも追い風となった。2021年は前年の反動を受けるものの、主力メーカーの注力度は高いことから、市場は前年を上回るとみられる。

調査対象
  • 野菜訴求食品市場(低加工野菜、素材系野菜加工品、野菜系飲料、野菜使用調理済食品)
  • 中食市場
調査方法

 富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用

調査期間

2021年5月~6月

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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

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