アリババグループ・ホールディング・リミテッドは、2021年8月3日、2021年4-6月期の決算を発表した。
2022会計年度第1四半期のグループの売上高は、前年同期比34%増の2,057.40億元(約3兆4,770.06億円)に達した。主に中国小売事業の売上高の着実な伸び(2020年10月に合併したサンアート・リテールを含む)、ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)の物流事業、越境およびグローバル小売事業における着実な収益成長によるもの。大型スーパーを運営するサンアート・リテール株式会社統合の影響を考慮しない場合、グループの年間売上高は前年比22%増の1,873.06億元(約3兆1,654.71億円)となる。
コアコマース事業
コアコマース事業の売上高は、前年比35%増の1,802.41億元(約3兆460.73億円)で、中国小売事業の売上高は、前年比34%増の1,358.06億元(約2兆2,951.21億円)となった。
2021年6月30日時点で、アリババエコシステムのグローバルにおける年間アクティブ・コンシューマー数(AAC)は約11.8億人に達し、2021年3月31日時点と比較すると4,500万人増加した。そのうち9.12億人は中国市場から、2.65億人は中国国外市場からとなっている。中国国外市場からの2.65億人にはLazada(ラザダ)、AliExpress(アリエクスプレス)、TrendyolおよびDarazサービスのコンシューマーが含まれる。
中国におけるアリババグループのC2Cコミュニティおよびプラットフォームである閑魚(シェンユー)も成長を見せ、月間モバイルアクティブ・ユーザー数(MAU)は11億人を超えた。
天猫618ショッピング・フェスティバル期間では、昨年の2倍以上となる約25万のマーチャントとブランドが参加し、100万を超える新商品を発売した。マーチャントとブランドが獲得した新規会員数は数千万人にのぼる。
ニューリテール事業
アリババグループは、マルチモデルによる事業を引き続き拡大。1時間配達、半日配達および翌日配達といった高頻度なフルフィルメントサービスを通じて幅広い消費者の多様なニーズに応えるとともに、今年からはコミュニティーコマース事業を強化し、複数の地域で翌日セルフピックアップサービスを提供している。これにより新興地域および農村地域のユーザー基盤をさらに拡大した。コミュニティーコマース事業は急速な成長を続けており、GMVおよびエリア配送センター(RDC)の建築面積は、前四半期比でそれぞれ200%および260%の増加となった。
大型スーパーを運営するサンアート・リテールのオンライン注文数が前年比で約28%増に。これに最も貢献したのは、天猫超市(天猫スーパー)との在庫共有の取り組みだった。2021年6月30日時点で、サンアート・リテールは、中国の29省、235都市に実店舗を設置しており、品質保持期限の短い生鮮食品、日用消費財および一般商品などの類目において、高い現地調達能力およびサプライチェーン能力を誇っている。
ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)の売上高は、前年比50%増の116.01億元(約1,960.57億円)に。収益の増加は主に、グループ内で急成長している、AliExpress(アリエクスプレス)や天猫国際(Tモール・グローバル)といった越境およびグローバル小売事業において、「ツァイニャオ・フルフィルメント」サービスを採用するマーチャントが増加したことによるもの。中国本土におけるツァイニャオ・ネットワークの事業は現在も急速に成長中であり、その一例が、利用者の増加が続くツァイニャオ・グオグオ(ツァイニャオのクラウドソーシングを活用する荷物ピックアップと宅配サービス)である。ツァイニャオ・グオグオの本四半期の注文数は、前年比で63%増となった。
越境およびグローバル小売事業
越境およびグローバル小売事業の売上高は前年比54%増の108.00億元(約1,825.20億円)となった。これは主に、Lazada(ラザダ)およびAliExpress(アリエクスプレス)の成長によるもの。Lazadaの注文数は前年比で90%超の増加となる。また、Lazadaは、過去6四半期連続でユーザーアクセス頻度が向上。これには、技術への集中投資を継続し、モバイルアプリのユーザー体験およびレコメンデーション(おすすめ)機能を強化させたことによって、消費者からの支持およびユーザーの定着がいっそう強くなったことが反映された。
ローカルサービス事業
ローカルサービス事業の売上高は前年比23%増の87.57億元(約1,479.93億円)だった。顧客獲得およびユーザー体験の向上のための投資拡大を続けているウーラマ(餓了麼)では、注文数が前年比で50%超の増加。ウーラマは、新しいユーザーの日々拡大するニーズを満足させるためにさまざまな取り組みを行い、良質なマーチャント基盤を向上させることで、全国および各地域のチェーン店によるGMV(流通総額)への貢献比率が前年比で上昇した。