日本酒メーカーの旭酒造は、酒販店や顧客とデジタルでの関係を構築・強化するためにSalesforceを導入した。マーケティングやECなど、顧客接点でのデジタル変革を実現し、グローバル展開のさらなる加速を目指す。
同社は、「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を求めて」をモットーに、「獺祭(だっさい)」ブランドの日本酒を製造してきた。しかし、少子高齢化や嗜好の多様化などによって、清酒市場は1973年をピークに、2019年には3割以下にまで課税移出数量が減少するなど、その規模が縮小している。
そうした背景の中、事業の拡大をした同社は、取扱酒販店の増加に伴うフォロー体制の整備や、オンラインチャネルを含めた販売戦略の強化などが課題として顕在化したため、今回の全面的な変革を開始した。
各ステークホルダーへの取り組み
同社は、Salesforce導入後の具体的な取り組みとして、下記の項目を挙げている。
酒販店への取り組み
- 個人管理を脱却し、営業活動の情報を全面的に把握することで、緻密なフォローを実現できる酒販店統合カルテの構築。
- 顧客の購買傾向を把握し、その情報を酒販店へ共有する。また、酒販店の状況に応じて、顧客データに基づいた企画の提案営業を行う。
消費者への取り組み
- 顧客属性に基づいた各種施策を自動的に実行、旭酒造の酒造りへの理解を促すことでファンを増やす。
- 運用負荷を下げつつも、新たな打ち手をスピーディかつ的確に実施していく、安全性と拡張性を兼ね備えたECサイトの構築。