定額制ホームページ制作を行う和田工房は、有職者を対象に、「サブスク」に関する調査を実施。現在どのようなサブスクがあり、また、汎用性の高いサブスクを利用して得している人はどのくらいいるのかを調べた。
個人でサブスクを利用している人は約5割 コロナ禍によるおうち時間増加でサービス利用拡大
「現在利用している個人向けのサブスク(定額制)サービスについて」質問したところ(複数回答可)、サブスクサービスを利用している人のなかでは「動画配信(28.1%)」と回答した人がもっとも多く、次いで「音楽配信(21.3%)」「ショッピング(6.0%)」と続いた。
データやソフトといったデジタル配信から広まりはじめ、最近ではファッションや車、家具・家電といった非デジタルの分野でもサブスクサービスが増えてきた。「利用していない(53.9%)」と答えた人も半数強いたが、利用できる分野が増えてきたことで、利用者は年々増えていくことが予想される。
次に、サブスクを利用するようになったきっかけや、サブスクを利用していない理由について質問した。
サブスクサービスの利用を始めたきっかけ
- 車を所有したくはないが、車が使える環境を確保しておきたかった(20代/男性/東京都)
- 無料の音楽アプリを使っていたが広告がうるさかったり、聞きたい曲が出てこなかったり使いづらかったため(20代/女性/千葉県)
- コロナの影響で、出掛ける頻度も減り、服をあまり買わなくなったので、購入せず毎月届くサブスクを利用している(30代/女性/大阪府)
- ステイホームで家にいることが増えたので動画のサブスクに入った(50代/女性/千葉県)
サブスクサービスを利用していない理由
- コスパ的にどうなのか様子を見ている(30代/女性/福岡県)
- どのサブスクを利用したらいいか迷っているから(30代/女性/山口県)
- システムがよくわからないから(40代/男性/大阪府)
- 料金分の利用ができるかわからない(50代/男性/新潟県)
1割がビジネス向けサブスクサービスを利用 時期により変動する郵便・配送のサブスクにメリット
「ビジネス向けのサブスクサービスを利用しているか?」と質問したところ(複数回答可)、1割強が「利用している(12.1%)」と回答。
「どのようなサブスクサービスを利用しているか」と質問したところ(複数回答可)、「郵便・配送(31.9%)」と回答した人がもっとも多く、次いで「WEB制作(29.6%)」「業務管理(28.2%)」「シェアオフィス(26.7%)」「請求業務管理(25.2%)」「名刺管理(23.0%)」「家具・家電(11.9%)」「車・自転車(10.4%)」「医師の相談サービス(5.2%)」と続いた。
サブスクで長期運用業務の依頼から完了までの流れが都度利用よりスムーズに
「サブスクサービスを導入する前後でどのような変化が起きたか?」と質問したところ(複数回答可)、「コスト削減に繋がった(43.3%)」と回答した人がもっとも多く、次いで「業務改善・効率化に繋がった(37.3%)」「業務に関係する社員の負担を軽減できた(31.3%)」「時代の変化に合わせやすくなった(31.3%)」「“モノ”を持つ必要がなくなった(29.1%)」「自分の興味や業務の幅を広げられた(19.4%)」「社員や企業の満足度が上がった(11.2%)」「特に変化はない(3.0%)」と続く。
前の質問の回答で挙がっていた「WEB制作」や「業務管理」のように長期的に運用していくものに関しては、その都度決済や承認が必要になってくるとスピーディーさに欠けてしまい、またそれによって担当者の負担が増えてしまうことになることから、サブスクサービスを利用することで、依頼から完了までの流れがスムーズに行えることは、企業にとって大きなメリットだといえる。
サブスクサービスを導入した理由や目的
- 人件費抑制(20代/女性/三重県)
- コストパフォーマンス(30代/男性/東京都)
- ライセンス形態が変更となり、サブスクリプションのみとなったから(40代/男性/神奈川県)
- 業務の効率化のため(50代/男性/鳥取県)
価格が変動する郵便・配送サービスや維持費のかかる車・自転車のサブスクはコスト削減にも
ビジネス向けのサブスクサービスを利用していない理由
- ビジネス向けのサービスがわからない(20代/女性/千葉県)
- そういうサービスがあることを知らなかったから(20代/女性/石川県)
- 何を使えばいいかわからないから(20代/女性/静岡県)
- ビジネスでどんなものが必要かわからない(50代/男性/神奈川県)
これらの意見から、従来の方法からビジネス向けのサブスクサービスの利用へ切り替えていくには、まだ情報が不十分であるといえる。
続いて「ビジネスにおいて、今後どのようなサブスクサービスを導入したいか?」と質問したところ(上位3つまで)、「郵便・配送(4.7%)」「WEB制作(4.5%)」「車・自転車(3.9%)」「業務管理(3.8%)」のように、すでに導入している企業が多くいる「郵便・配送」「WEB制作」「業務管理」に加え、「車・自転車」が上位に。このことから、利用にあたって変動のある郵便・配送のサブスクサービスや、維持費のかかる車・自転車のサブスクサービスは、コスト削減につながるものと考えられる。
ビジネス向けのサブスクサービスの導入で解決したい課題
- リモート対策に利用したい(20代/女性/群馬県)
- 既存のレンタルやリースとの差別化(40代/男性/北海道)
- 自動車などの移動するサービスは便利だと思うので、積極的に使いたいと思いました。タクシーなどよりは便利でコストカットにもなると思うからです(40代/男性/岐阜県)
- 日々の雑務を減らして効率的な仕事ができる(30代/男性/愛知県)
サブスクサービスを有効に使うことで、テレワークという新しい働き方をより安全に快適に運用することができるほか、その依頼ごとに費用が掛からないという点が期待されている。
2020年度は前年度比15%増の予想 今後サブスクが「浸透していくと思う」が4割
最後に、「今後、ビジネス向けのサブスクサービスは浸透していくと思うか?」と質問したところ、4割以上が「はい(40.2%)」と回答した。
日本ではまだ発展途上にあるビジネス向けのサブスクサービスだが、その市場規模はどんどん広がっており、2019年度には6,835億円だったものが2020年度には7,873億円を超え、前年度比で15.2%増となることが予想されている。
調査概要
- 調査期間:2021年1月13日(水)~2021年1月14日(木)
- 調査方法:インターネット調査
- 調査人数:1,121人
- 調査対象:有職者
- モニター提供元:ゼネラルリサーチ