楽天は、2016年1~9月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。それによると、第3四半期の国内EC事業の売上収益が、前年同期比で6.7%増となった一方、同営業利益は17.3%減となった。
同社は今期、同社の主力サービスである国内ECにおいて、新規ユーザー獲得や、いわゆる休眠ユーザーへの再販促、長期的なロイヤルカスタマー育成のための販促活動を実施。その結果、販促費が増加した一方で、国内ECの売上収益が堅調に推移したと報告。具体的には、楽天市場での注文件数が前年同期比で17.0%、購入者数が10.9%、新規・復活購入者数が5.6%と増加した。また、第3四半期の広告収入も、前年同期比でプラスに転じたことを明らかにした。
利用者数の増加を支えているのが、「スーパーポイントアッププログラム(以下、SPU)戦略」だ。これは、楽天カードや楽天市場アプリ、楽天モバイルなどを利用することでポイント還元率が高まるサービス。同社は今年1月に本サービスを開始し、第2四半期の発表では、SPUにより楽天カード保有者のEC利用額がカード未保有者に比べ約2倍に増加したと発表していた。
楽天市場では、このSPUを継続し、長期的・安定的にユーザー数・注文件数を増加させていく。さらに、10月28日に買収を発表した爽快ドラッグのについて触れ、同社の国内ECプラットフォーム上で商品数の少ない領域を、直販モデルで補強する方針を発表。幅広いユーザーへの波及を目指していくという。
さらに、海外EC事業においては、先行投資を今後も継続。海外ECではEbates、コンテンツサービスではOverDriveの成長による売上収益の増加を見込んでいるとした。