同じ年代でもこれだけ違う!? デバイスごとの接触時間傾向
インテージが運用している「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」は、インターネットやテレビなどの広告・情報視聴と購買行動や生活者の属性情報の関係性を捉えることができる。同社は今回、そのメディア接触ログを活用し、各デバイスの接触量に従い生活者を分類した「メディア・アクティビティ・クラスタ」による分析事例を公開した。
同社が分析した生活者のメディア接触実態によると、特定のターゲットの中でもメディア接触状況はさまざま。下の図は20代と50代のTV・スマホ(SP:SmartPhone)・PCの1日あたり平均接触時間を比較したもの。各デバイスの利用時間をみると、20代ではスマホの利用が多く、50代ではTVの視聴が多い。逆に、PCの時間には差はわずかしかない。
しかし、同じデータをデバイス別・年代別の構成比分布に分解した次の図を見ると、20代でもTVを一定以上見る人や、50代でもスマホを多く使う人がいることがわかる。「デバイスの接触量が同程度」という視点で見ると、年代は違っても嗜好性が似ている人がいるかもしれない。年代という一つの軸だけでメディアを語るには必ずしも十分ではないと言える。
PCをほとんど使わず、スマホばかり使う人たち
i-SSPのログデータを利用して、「テレビ視聴」「スマホのWEB/アプリ閲覧」「PCのWEB閲覧」の接触時間の活発度によって「11」のクラスタに分けてみたところ、特徴的なのは、PCをほとんど使わず、スマホばかり使う「SP偏重」とも呼ぶべき人たちが一定以上抽出された。
11のクラスタに関する①各クラスタの構成比、②各クラスタのTV、スマホ、PCの1日あたり平均接触時間をまとめると、いちばん長くそれらのメディアに触れている層は528分(8時間48分)、いちばん短い層は51分という結果になった。
スマホばかりの人 vs PCばかりの人
昨今では、テレビをあまりみていない人に、広告を届けるにはどのようなアプローチをしたらいいのか?ということが課題になることも多い。「SP偏重者(スマホばかりの人)」と「PC中心者(PCばかりの人)」のひととなりについて、基本属性や生活意識・価値観といったデータをもとにプロファイリングしてみると、テレビを見ない代わりにスマホやPCをどう使っているのか、利用時間の違いの裏側に潜む、それぞれの価値観や暮らしぶりの違いが見えてくる。
動画サイトやSNSの接触率には、デバイスの使い分けがくっきりと表れる。また、PC偏重者にフォーカスすると、ECサイトや口コミ比較サイトの接触率が高いことや品質重視で高いモノを避ける・情報源を使い分けるといった意識価値観を有することから、自分に合った商品をネットで吟味して購入する姿が想像される。
【調査概要】
調査方法:i-SSP(インテージシングルソースパネル)
調査対象デバイス:テレビ・パソコン・スマートフォン
調査実施機関:株式会社インテージ