日中経済交流協会は、買い物を目的に訪日する中国人に対し、知名度はないが高品質な商品を製造・販売する日本の中小企業の商品を紹介する通販カタログ「八仙倶楽部」を創刊した。創刊号は夏号(6~8月)として発刊し、今後は3か月毎の季刊発行で各号15万部を配布。中小企業の商品のほか、全国の特産品なども掲載し、地域の知名度向上や地域経済の発展にもつなげていく。
創刊号では「日本に来たら買うべきお勧め商品」を特集。また、中国の大気汚染対策や、癌の死亡率が最低の日本の都市の秘密など、日本の文化や風習にちなんだ記事も提供している。
「八仙倶楽部」は、日中経済交流協会の提携先で、クルーズ船ツアーの募集会社の青島朝日国際郵輪旅遊有限公司が、青島・上海・天津・厦門から日本に向け出港するクルーズ船の乗客に対し配布される。乗客は訪日前に日本の商品情報を得ることができ、買い物の参考にできるほか、青島朝日国際郵輪旅遊のWebサイトで購入することができる。
クルーズ船の寄港については今後も増加が見込まれ、日本の港の中で最も寄港船数が多い博多港では、2016年のクルーズ船入港予定数が400隻を超え(2015年の寄港数は259隻)、大半が中国からのクルーズ船となっている。クルーズ船の場合、日本の寄港地での上陸に関しては査証申請の必要がなく、「船舶観光上陸許可書」で入国が可能となっており、中国人の人気も高まっている。
中国からのクルーズ船では初めて訪日する人の割合が高く、飛行機とは異なり買い物品が多くなっても持ち帰りの重量制限がないこともあり、買い物需要が高いのが特徴。一方で、上陸後はバスで団体行動をすることが多いため、一度に多くの人が立ち寄る店舗では品切れになることもあり、目的の商品が購入できなかった中国人からは不満の声が上がっている。