ここ3年ほどで急激に進んだ円安による仕入コストの上昇や、2014年4月の消費増税の影響に伴う消費の低迷などから、アパレル業界の経営環境は非常に厳しい状況が続いている。加えて、2014年度以降はアパレル関連企業の倒産が増加に転じているほか、一部大手アパレル企業でも業績悪化を余儀なくされており、その動向が注目されている。
こうした状況を踏まえて、帝国データバンクは、2012年度~2014年度のアパレル関連企業の業績動向について調査・分析した。その結果、2014年度のアパレル関連企業の年売上高の合計は前年度比0.7%増の10兆468億9900万円で、伸び率が鈍化。同年度の赤字企業の割合は、21.6%で、2013年度比で2.8ポイント上昇し2割台になっている。減益企業も含め、56.2%が業績悪化、または改善していない状態だ。
赤字企業の割合は、年商が1億円以上では2割前後だが、「1億円未満」では約3割の企業が赤字になっている。地域別に分析すると、年売上高は「中部」が前年度比2.5%減となり三大都市圏で唯一の減収となったほか、「東北」の赤字企業の割合が34.6%と唯一3割超えとなっている。
【本調査について】
調査対象:「男子服卸」「婦人・子供服卸」「下着類卸」「男子服小売」「婦人・子供服小売」を主業とする企業。このうち2012~2014年度の年売上高が比較可能な1万5,688社について分析を行った(かばんや靴、アクセサリーなどの服飾雑貨を扱う業者は含まない)。