GMOインターネットグループのGMOメイクショップは、香川県坂出市でケーブルテレビや通信事業を展開するKBN、香川県農業協同組合(以下、JA香川県)、生活協同組合コープかがわ(以下、コープかがわ)と連携。KBNの新サービスとして「生成AIを活用した対話型コマース」による買い物サービス「こんにち商店」を、2025年3月13日にプレオープンした。

「こんにち商店」は、スマホやタブレット端末に話しかけることで、AIが商品やおすすめの料理メニュー、必要な具材を提案、注文が完了する。現時点でサービス対象地域は坂出市と宇多津町で、プレオープン中は先着500名限定での展開となる。
これにともない、同日に記者発表会が実際された。KBNの代表取締役 北村昌士氏は冒頭で「人口減少や高齢化により買い物困難者が増加傾向にある。こうした地域課題を解決したい」と強調した。
![[写真左から]JA香川県 代表理事理事長 村川進氏/KBN 代表取締役 北村昌士氏/コープかがわ 代表理事理事長 亀井愛知氏/GMOメイクショップ株式会社 代表取締役社長CEO 向畑憲良氏](http://eczine-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/16460/16460_02.jpg)
本サービスの展開に先立ち、GMOメイクショップらは2023年11月から2024年1月にかけて生成AIを活用した対話型コマースによる高齢者買い物支援の実証実験を、坂出市王越町にて行った。実証実験には16世帯が参加し、そのうち11世帯が1回以上注文。延べ利用数は39回という結果だった。参加者の平均年齢は70歳以上とのこと。
なお、実証実験の結果にもとづき次の点が改善された。プレオープンでさらに改善を重ね、2025年8月には対象人数を拡大して本格リリースするとのこと。
実証実験で判明した主な課題
提携事業者
- ユーザーが求める商品数を確保できる大規模事業者との提携
- 運営維持が可能な配送
AI対話アプリ・システム
- ユーザーインターフェースの整備
ユーザー向けサービス
- コールセンターの整備
- 利用状況の把握が可能な仕組みづくり
改善点
提携事業者
- 商品ラインアップの拡充:JA香川県とコープかがわの協力により、地元農産物や生活必需品を幅広く取り揃え
- 配送体制の強化:本サービスに特化した配送業者とすることで、迅速かつ確実な商品配送を可能に
AI対話アプリ・システム
- 操作性の向上:音声認識精度の改善と視覚的な要素や操作の流れをシンプルにすることで直感的な操作が可能になり、高齢者にも使いやすいインターフェースを実現
ユーザー向けサービス
- コールセンターの設置:アプリやタブレット利用方法に加え、指導訪問体制の整備
- アプリ機能の拡充:「気に入り機能」「インボイス」「過去の購入履歴」「LINE連携・配達完了写真」など実証実験を経て要望の多い機能を追加・音声コマースと通常コマースの選択:若年層の需要が確認されたため、音声検索と従来の文字検索の両方を選択できるシステムを導入(本サービス開始時期に合わせてリリース予定)
- 対応エリアの拡大:プレオープンでは坂出市に加え宇多津町に拡大。今後は香川県全域にも拡大予定