株式会社デジタルガレージは、小売事業者の業務運用効率改善を実現するため、「パンゲアデリバリー」の大幅な機能拡張を実施。小売事業者向けクイックコマース対応のリテールテックサービスとして展開を強化する旨を発表した。
なお、同サービスは株式会社サッポロドラッグストアーとの実証実験を経て、同社が展開する「サツドラ」の104店舗において本格導入が決定。2024年9月10日に二社合同でデモンストレーションを含む発表会を実施した。
近年、消費者の生活様式の変化を背景に、ネットスーパーやドライブスルー、BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)など、実店舗においても様々なチャネルを活用したオンライン販売事業が拡大している。特に、クイックコマース(即時配達)の伸びは顕著で、そのグローバル市場規模は年間平均成長率25.1%で成長。2028年には、約2,550億ドルに拡大する見通しが立てられている(The Business Research Company調べ)。
クイックコマースは、売上拡大・消費者接点獲得が実現できる一方で、サービスごとの端末・オペレーション整備が必要となることによる、業務管理や運用の負荷増大が課題だといえる。サツドラにおいても同様で、ピッキング作業の効率化や各サービスの操作方法、運用といった教育コスト、欠品率などが課題になっていたという。
今回のサツドラ店舗での本格導入にあたっては、株式会社ROMSが提供する「ピッキングシステム」と連携を実施し、複数のデリバリーサービスの注文、ステータス管理に加え、店舗内のピッキング業務まで一元管理・運用を実現。店頭では基本的にスマートフォン操作のみで運用ができる仕様になっている。
パンゲアデリバリーを使ったオペレーションイメージ
1. 注文受付
タブレット・スマートフォンアプリに注文通知が届く。
2. ピッキング(実在庫確認)
通知を受け取った店舗スタッフがバーコードスキャンでピッキングを実施。事前に管理画面でピッキングルートを設定しておくことで、効率的に店内回遊・ピッキングができるルートの提示にも対応している。
3. 欠品対応
欠品商品はピッキング時に「0個」と欠品の旨を登録することで、ピッキング完了時にデリバリー各社へ連携。返金対応と売切設定が自動で行われる。
4. POS入力・点数確認
スマートフォンで商品価格と商品点数を確認しながらPOS登録。
5. 梱包・受け渡し
タブレットからオーダー票を印刷し、袋詰め・オーダー票を貼付。配達員が来店したらオーダー票を確認し受け渡しを実施。
なお、デジタルガレージは今後、パンゲアデリバリーにおいてピッキングルートのナビゲーション、POSおよび在庫連携、AIによる需要予測などの機能実装・提供を行うことで、飲食・小売事業者のクイックコマースの業務効率改善・売上拡大に寄与することを目指すとしている。