「Indeed(インディード)」の日本法人であるIndeed Japan株式会社は、18歳~59歳の正社員で販売職(小売・アパレル)に従事する男女計1,000名を対象に、「AIの業務利用に関する実態・意識調査」を実施した。調査結果の詳細は次のとおり。
約4人に1人がAIの利用経験あり
販売職従事者の業務における現在のAI利用率は18.8%、過去利用も含めたAI利用経験率は24.4%で、約4人に1人が利用経験ありと回答した。また、企業規模が大きいほどAI利用経験率が高いが、従業員数が99名以下の企業でも17.1%と、6人に1人以上が、利用経験があるとわかっている。
コミュニケーション業務ではAI利用が少ない結果に
販売職業務を、具体的な業務別に20個に分けて、それぞれの業務従事者に対し、その業務における現在のAI利用状況を質問した。その結果、AI利用が多い業務は「在庫管理(58.3%)」「売上集計(55.4%)」「在庫発注(52.3%)」などの定型業務だとわかった。
一方、AI利用が少ない業務は、「顧客対応(27.1%)」「顧客との雑談(31.5%)」「商品説明(31.9%)」などのコミュニケーション業務という結果だった。
AI利用経験者による「AIの業務利用で実感した変化」
販売職従事者のうち、AIの業務利用経験者(244名)に、AIの業務利用による変化として何を実感しているかを質問。その結果、「業務の正確性が向上した(67.5%)」「業務の効率が上がった(64.3%)」「活用できていなかったデータや情報を活かせるようになった(60.4%)」が上位となった。
約3人に1人がAIに対して期待と不安の両方を感じている
AI技術に対して、「期待している」は49.6%(「あてはまる」21.3%、「ややあてはまる」28.3%の合計)で、「期待していない」の30.8%(「あまりあてはまらない」20.6%、「あてはまらない」10.2%の合計)を18.8%上回った。
一方、「不安がある」は44.9%(「あてはまる」13.6%、「ややあてはまる」31.3%の合計)で、「不安はない」の35.3%(「あまりあてはまらない」26.1%、「あてはまらない」9.2%の合計)を9.6%上回った。
AI技術への「期待」と「不安」を掛け合わせて集計すると、「期待しているが、不安もある」人が31.1%と最も多く、約3人に1人がAIに対して期待と不安の両方を感じているとわかっている。
「売上集計」など情報分析業務は「AIのほうが得意」との回答が多数
販売職の各業務について、AIと人間どちらのほうが得意だと思うかを質問し、AIが得意だと思う割合と人間が得意だと思う割合の差を集計、差分が大きい業務を確認した。その結果、AIのほうが得意だと思われているのは、1位「売上集計」、2位「売上分析」「顧客購買データの分析」となり、情報分析業務が中心だった。
人間のほうが得意だと思われているのは、1位「顧客との雑談」「顧客対応」、3位「クレーム対応」となり、コミュニケーション業務が中心となっている。
なお、スコア差が比較的小さかった業務は「販促キャンペーン企画」「商品の価格設定・値引き」「商品のレコメンド(おすすめ)」であり、これらはAIと人間のどちらが得意かの意見が分かれる結果となった。
過半数の販売職従事者がAIの利用意向を示す
自身の業務(販売職)においてAIを利用したいか質問したところ、「利用したい」が56.3%(「利用したいと思う」13.7%、「どちらかと言えば利用したいと思う」42.6%の合計)となり、過半数の販売職従事者がAIの利用意向をもっているとわかった。
また、販売職の業務において「こんなことにAIを利用できたらいいな」と思うものを自由記述で質問したところ、在庫管理やデータ分析に関するアイデアのほか、顧客対応(特にクレーム)に関連するアイデアも多数挙がった。
これらの非定型コミュニケーション業務は、現時点でのAI利用率が低いほか、前述の「人間のほうが(AIよりも)得意だと思う業務」として挙がっており、まだAIを利用しておらず、人間のほうが得意な業務だと思いつつも「できることならAIに任せたい業務」と考えている販売職従事者が一定数いることを示唆しているとのこと。
調査概要
- 調査主体:Indeed Japan株式会社
- 調査対象:「販売職(小売・アパレル)」の業務に従事する18歳~59歳の正社員の男女計1,000名
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2024年6月25日~6月28日