大同生命保険は、2015年10月から毎月実施している全国の中小企業経営者を対象としたアンケート調査「大同生命サーベイ」において、「新規顧客・販路の開拓/日銀のマイナス金利政策解除」について調査。今回、2024年4月度のレポートを公表した。同調査結果の詳細を一部抜粋して紹介する。
新規顧客・販路の開拓の取組状況
新規顧客・販路の開拓に「取り組んでいる」と回答した企業は55%。従業員規模が大きい企業ほど、積極的に取り組んでいることがわかった。
2023年5月(新型コロナ5類移行時)と比較した「新規顧客・販路の開拓」への意欲
2023年5月(新型コロナ5類移行時)と比べ、新規顧客・販路の開拓への意欲が「高まった」と回答した企業は約4割、一方で意欲が「低下した」と回答した企業は5%。自社の業況別でみると、「業況が良い」企業ほど「意欲が高い」結果だった。
新型コロナ5類移行(2023年5月)後に取り組んだ施策
新規顧客・販路の開拓に「取り組んでいる」と回答した企業に、新型コロナが5類移行された2023年5月以降に取り組んだ施策、および、そのなかで効果的だった施策についてたずねたところ「市場・顧客ニーズの情報収集・調査分析」がともにもっとも多い回答(39%、27%)となった。
また、「効果を感じた施策」の上位4項目について、「製造業」「卸・小売業」では「新しい商品・サービスの開発」、「建設業」では「従業員教育の強化」なども多くなった。
顧客数の変化
2023年5月(新型コロナ5類移行時)と比べ、「顧客数」が「増加した」と回答した企業は29%業種別にみると、「宿泊・飲食サービス業」では「増加した」が63%。
新規顧客・販路の開拓に「取り組んでいる」企業では、顧客数が「増加した」とする回答が40%となった。
売上の変化
2023年5月(新型コロナ5類移行時)と比べ、「売上」が「増加した」と回答した企業は35%に。業種別にみると、「宿泊・飲食サービス業」では「増加した」が62%と高くなった。
新規顧客・販路の開拓に「取り組んでいる」企業では、売上が「増加した」との回答が44%となった。
売上に占める「新規顧客・販路」の割合
売上に占める「新規顧客・販路」の割合は、理想とする水準と比べてギャップがあり、「新規顧客・販路の開拓」が十分に進んでいない状況がうかがえる。
業種別では、「宿泊・飲食サービス業」や「教育・学習支援業」が高くなっているが、各業種とも理想とする水準と比べると低くなっていた。
新規顧客・販路を開拓するにあたっての課題
新規顧客・販路を開拓するにあたっての課題として、「開拓に必要な人材の確保」が40%ともっとも多く、次いで「商品・サービス力の強化」が39%と多くなった。
調査概要
- 調査期間:2024年4月1日〜同4月26日
- 調査対象:全国の企業経営者 8,230社(うち約5割は同社契約企業)
- 調査方法:同社営業職員が訪問またはZoom面談により調査