ZOZOが、2024年3月期の第1四半期決算を発表した。それにともない、2023年7月31日に「2024年3月期 第1四半期決算説明会」をオンラインにて実施。同社の取締役副社長 兼 CFO 栁澤孝旨氏が、詳細を説明した。
商品取扱高・営業利益ともに増加
ZOZOは、商品取扱高・営業利益ともに第1四半期としては過去最高実績を更新した。商品取扱高は前年同期比+3.1%の1,319億円、その他商品取扱高(連結子会社yutoriの自社ECサイトにおける商品取扱高・Yahoo!ショッピングにおけるZOZOオプション契約ストアの商品取扱高・ZOZOMO経由の商品取扱高/ZOZOSUIT有料販売分の商品取扱高の合算値)を除く商品取扱高では、前年同期比+6.4%の1,233億円となった。
営業利益では、集客費用と販促費用が前年同期と比較して増加したものの、商品取扱高と広告事業の成長にともなう粗利の増加、出荷単価の上昇にともなう配送費用の減少により、前年同期比10.8%の増益となる158億円、また、営業利益率は12.9%だった。
同社は営業利益が増加した要因として、ZOZOTOWN事業とYahoo!ショッピング事業の取扱高拡大による粗利の増加、広告事業の成長による売上増加、取扱高拡大などによる送料収入および決済手数料などの増加の3つを挙げた。
一方、営業利益を押し下げた要因としては、社員数の増加や物流拠点増加による固定費の増加、取扱額拡大に比例して増加する変動費の増加、集客費用やポイント費用など実質プロモーション費用の増加、一部の業務委託費の科目振替による影響などを挙げた。
ウェブ広告など広告宣伝費へ投資
商品取扱高対比の販管費は22%で、前年同期比0.4%低下となった。出荷単価が前年同期実績より上振れたために荷造運賃が0.5%低下したことが、販管費率低下の主な要因と考えられる。
ウェブ広告の増加や「ZOZOFIT」にかかる広告費、「niaulab」にかかる費用の計上など、商品取扱高に対する広告宣伝費は0.3%上昇。広告宣伝費とポイント費用の合計である実質プロモーション費用は、商品取扱高対比で3.3%と、昨年同期の2.6%より高くなっている。
ZOZOTOWNでは1注文当たりの購入点数が増加傾向に
ZOZOTOWNの年間購入者数は、2023年3月期の第4四半期よりも6万人増で1,147万人となった。そのうち、アクティブ会員数は2023年3月期の第4四半期比+16万人の1,035万人、ゲスト購入者数は-10万人の111万人となっている。
アクティブ会員数の増加について栁澤氏は、「2022年度の新規会員の定着に加え、ZOZOTOWNのセールイベントである『ZOZOWEEK』開催期間と夏の本セール期間におけるテレビCM、ウェブ広告の積極的な投下などによって、集客を強化したことが要因」と説明した。なお、今期のアクティブ会員数の推移と年間購入者数に関して栁澤氏は「やや伸び切らなかった印象のため、第2四半期以降は挽回していきたい」とした。
また、平均商品単価は3,726円となっており、前年同期比で4.9%上がっている。一部商品の定価の上昇およびセール商材の割引率の減少が主な要因と考えられている。平均出荷単価も8,177円と、前年同期比で6.2%上昇。平均商品単価の上昇に加えて、1回の注文当たりの購入点数が増加しているとのこと。