東京海上日動火災保険とデジタルプラットフォーマーであるスタンデージは、日本食材輸出支援の合同プロジェクト立ち上げを発表した。両社のデジタル技術とソリューションを掛け合わせて、中小企業による日本食材の輸出促進や輸出企業の裾野拡大を図る。
両社は、これまでも新たな貿易決済の仕組み実現に向けた実証実験等で連携してきた。本プロジェクトでは、海外飲食店向けの輸出ルートの開拓、定温航空便ネットワークの構築、両社のシステム連携による小ロットからのスピード輸送および保険加入を開始。
その第一フェーズとして、定温航空便での日本酒の輸出を支援する。また、第二フェーズでは地方特産品に商材を拡張し、日本の食文化・伝統を海外に送り出す総合文化発信プラットフォームを実現するとのこと。
プロジェクト概要
ワンストップでの小ロット輸出と保険手配の実現
スタンデージが新たに開発・運営する越境ECサイトを介して、海外の飲食店が直接日本の酒造メーカーに少量発注できる仕組みを構築する。これにより、買い手である海外飲食店は、多数の日本の酒造メーカーおよび銘柄から多様な商品を選択できるようになる。
また、定温航空便にて輸送することで、生酒も品質を保ちながらタイムリーに輸出することが可能となる。なお、ECサイトのプレオープンは2023年3月中、正式な運営開始は2023年4月に予定されている。
東京海上日動火災保険では、APIを活用して、スタンデージが有する貿易代行機能と自社の外航貨物海上保険のインターネット申し込みシステムを連携。海上保険の自動申し込みを含めた貿易実務を簡略化し、小ロットの貨物への海上保険手配を実現する。
総合的な輸出支援の実施
スタンデージは、産地や酒造メーカーおよび銘柄の海外向けブランディング支援として、各都道府県や酒造メーカー、代表銘柄の歴史やストーリー、有識者によるテイスティングレポート等をコンテンツ化し、ECサイトに掲載する。
多くの地方自治体・地方金融機関・商工会議所と、地方創生にかかわる包括連携協定を結んでいる東京海上日動は、同社のネットワークを活用して地方の個別企業に対し、スタンデージと連携した貿易支援サービスの提案やリスクマネジメント支援を行う。
また同社は、食品輸出に必要なGAP、HACCP等の認証取得や事業効率化支援の連携先の紹介、保険の付帯サービスである「海外展開支援サービス」も提供していく。