スマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」では、日本全国の男女を対象に、ふるさと納税の認知率や利用経験率、利用理由などについて調査を行った。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
ふるさと納税の認知率は6割、寄附や手続きの利用経験率は約3割
まず、ふるさと納税について、知っているか・手続きしたことがあるかについてたずねた。
全体では、「自分が手続きをして、したことがある」「自分で手続きはしたことはないが、家族がしたことがある」を合わせた『自分または家族が手続きしたことがある』の寄附経験率は約3割、「自分も家族もしたことはないが、仕組みは知っている」を含めた認知率は6割だった。「名前を見聞きしたことがある程度(仕組みは知らない)」割合を含めると9割超となり、「ふるさと納税」という制度が浸透している様子がうかがえる。
年代別で見てみると、認知率については、10代で「まったく知らない(同アンケートで初めて知った)」が1割となり、ほかの年代よりやや高くなっている。一方、すべての年代で「仕組みまで理解している」という人は約6割となり、年代で大きな差はなかった。 自分または家族が手続きした寄附経験率については、20代と30代で3割以上となり、30代がもっとも高く39%となった。なかでも、30代男性は4割超となっている。
また、寄附経験の割合は経営者、会社員、公務員といった職業で高い割合だったという。
ふるさと納税の利用理由の1位は「返礼品が魅力的だから」
次に、ふるさと納税を自分または家族が手続きしたことのある寄附経験者の意見を見ていく。
全体の寄附理由として、もっとも高かったのが「返礼品が魅力的だから」で7割弱。すべての年代でもっとも高い割合となった。次いで、「節税になるから」が5割強、「お得だから」が4割強と続く。10代から60代の全年代でこの3つの理由がTOP3となった。
年代別の傾向では、「節税になるから」は、20代から50代の有職者が多い年代で5割以上と高い傾向に。なかでも、30代でもっとも高く7割弱となっている。実際に、自分で手続き/寄附をする割合も30代がもっとも高くなった。「お得だから」も同様に30代がもっとも高い結果に。 40代以降では、「地域活性化につながると思うから」が2割以上で、特に60代では約25%ともっとも割合が高くなっている。
返礼品を選ぶ時の重視点は「自分や家族が食べたい/ほしいもの」かどうか
「返礼品の魅力」が寄附理由としてもっとも高くなったが、寄附経験者が返礼品を選ぶ際にどのようなポイントを重視しているかたずねた。
男女ともに、「自分が食べたいもの/ほしいもの」「家族が食べたいもの/ほしがるもの」が上位に。また、男性では「お得なもの/還元率が高いもの」が3位となり2割強。女性では「ふだん買わないような高級なもの」が2割強で、男性よりも高くなった。また、「口コミの評価が高いもの」や「レビュー/感想の数が多いもの」といった点も女性の方が男性に比べて高い割合となった。
実際に、返礼品はどのようなものが人気なのか、2021年にどんな返礼品を選んだかを聞いてみたところ、1位は男女ともに「肉」という結果に。次いで、「魚介類」となっている。 3位以降とは7ポイント以上の差があり、「肉」「魚介類」が男女ともに人気がある返礼品の種類であることがわかる。
なお、男性の3位は「米」、「お酒」は6位にランクインし、1~2割弱。一方、女性は「果物」が2割強で3位となり、男性に比べて高い割合だった。
寄附経験者は今後も9割近くが利用意向あり
1年ごとに寄附ができるふるさと納税について、今後の利用意向を調べた。
その結果、認知や理解、利用経験が高い人のほうが今後の利用意向の割合も高くなる傾向となり、「寄附経験者」の今後利用意向は9割近く、かつ「ぜひしてみたい」が約7割と高くなっている。
「仕組みまでの認知者」は約5割、「名前のみの認知者」においても約4割は利用意向ありという結果に。ただし、「名前のみの認知者」は「どちらともいえない」の割合も約4割となっている。
「まったく知らない」と回答した人は、今後の利用意向は低く、ふるさと納税を今後利用したくない割合が半数以上となった。1度でも寄附経験があると今後も利用していきたいという意向がより強くなる傾向となった。
調査概要
- 調査方法:LINEユーザーを対象にしたスマートフォンウェブ調査
- 調査対象:日本全国13歳~79歳までの男女
- 実施時期:2021年12月22日~12月24日
- 有効回収数:535,187サンプル
- 集計対象:有効回収数のなかからランダム抽出した男女15-69歳の47,794サンプル