P3(ピースリー)は、パン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングスの協力を得て、ドン・キホーテ中目黒本店にてサイネージの視認率計測実験を行った。
実施場所および実施期間
実施場所
ドン・キホーテ中目黒本店
実施期間
2021年10月7日~2021年11月2日の約4週間
実験内容
P3の新製品である、背面照射型BIRDEYES(バードアイズ)を店舗の5カ所に設置。表示画面上部に取りつけた超小型カメラにて、人影と目線を計測し視認率を算出している。次の4パターンでの視認率の違いを計測した。
- 場所による視認性の違い
- 画面サイズによる視認性の違い
- 音量による視認性の違い
- P3特殊加工画面(新製品BIRSEYESの背面照射パネルの周りにPOPを融合させたもの)での視認性の違い
実験概要図
約4週間に渡る実験の結果、設置場所による視認率の違いは極めて大きく、「商品棚の上部」「歩行通路上部」「通路分岐地点」「階段踊り場」「店舗入り口」にて最小1%~最大12.61%の違いがみられた。 実験では、利用者の来店頻度に応じ、視認率は著しく低下していく傾向がみられ、2週間で20%~30%の視認率の低下が確認された。利用者に、常に新しい情報を提供することは、サイネージ運用に非常に重要であると認識される結果となった。
また、32インチ画面・43インチ画面・P3特殊加工画面を1週間ごとに変更し、視認率を計測したところ、32インチから43インチへの画面変更では、視認率の違いが見られず、43インチからP3特殊加工画面への変更では、最大84.7%の視認率の上昇がみられた。利用者の目線は常に店舗内での目新しい何かに向けられる傾向にあり、ここにサイネージ運用への大きなヒントがあると考察している。
さらに時間帯による視認率の違いも、最大値と最小値に3倍程度の開きがあり、来店する利用者の年齢層、来店目的によりサイネージの視認率に大きく影響していることがわかった。
視認時間に関しては、歩行者の人影計測時間と視認時間とで概ね近似した数値が計測されており、通路を歩行しながら利用者はサイネージを見ている傾向が出た。場所・時間帯により立ち止まって見るユーザーの傾向も読み取ることができており、今後のサイネージの在り方の大きなヒントが得られたとのこと。 なお、音量による視認性の違いに関しては、存在感のある音量調整ができなかったことにより、有効な計測に至らなかった。
実験後ドン・キホーテの担当者は次のようにコメントしている。
「今回の視認実験では、場所による視認計測だけにとどまらず、時間帯によるサイネージへの関心の違いや、御客様の買い物時の歩行速度などを確認することができました。P3社の新製品であるバードアイ(背面照射型サイネージ)は、天井補強工事が不要な、ワイヤー吊り下げ型である点に利用価値の幅広さに新しいサイネージの形を感じました。ただ、頻繁に売り場のレイアウトを変更するため、サイネージも移動させる必要がある事や、明るい場所でのディスプレイの見え方にも課題があり、今後の進化に期待したいと考えています。」