三井住友カードは、Custella Trend特別号「キャッシュレスデータで見る、2021年ヒット消費番付」をリリースした。
横綱は、リアル店舗でもオンラインでも「生鮮食品」という結果になった。緊急事態宣言等による外食の自粛が宅食の増加につながったと考察。伸び率ではオンライン(+160%)のほうがリアル店舗(+142%)より大きく、食品宅配の利用が大きく伸びたことがわかる。
大関はリアル店舗では「ペット関連」がランクイン。自宅時間の増加でペットを飼う人が増えているが、それがそのまま決済金額の増加にも現れた。オンラインでは「映画・動画」がランクイン。定額制(サブスクリプション)サービスの加入増加や、単品作品のレンタル利用が、やはり自宅時間の増加によって拡大したことがわかる。
関脇はリアル店舗では「コンビニ食品」がランクイン。詳細を分析すると、横綱の生鮮食品では19年から20年に大きく伸びたのに対し、コンビニ食品では20年から21年に大きく伸びていた。その背景としては、外食の代替としての利用増加や、「コンビニグルメ」とも呼ばれ、テレビ番組やYouTubeなどでの特集が増えたりしている影響も想像できる。オンラインでは「ホビー・娯楽品」がランクイン。大関の「映画・動画」小結の「アプリ課金」などと同様に、充実した自宅時間を過ごすための傾向が明らかになった。
総じて「リアル店舗は生活必需品」「オンラインは娯楽関連」という傾向が見えた消費番付。緊急事態宣言が明けた今後も同様の傾向が続くのか、コロナ禍で大きく減少した旅行や外食などの消費回復が見られるかは注目である。
またこのグラフは、全国平均を100とした時の「リアル店舗」「オンライン」それぞれのひとり当たり消費金額の多さを示したもの。例えば東京ではオンラインが約1.2倍、リアル店舗が約1.15倍と高い消費金額を示しており、比較するとオンラインの消費指数が高くなっているため、「オンラインシフト志向」が強いと言える。
また、「関東はオンラインシフト志向」「関西はリアル消費志向」という傾向が見て取れる。とくに大阪や兵庫では、オンライン消費金額は全国と比べて0.7~0.8倍前後の一方、リアル消費金額は1.1倍近くとなっており、リアル店舗での消費が強いことがわかる。
三井住友カードは2019年10月、業界最大級のキャッシュレスデータを活用したデータ分析支援サービス「Custella(カステラ)」を提供し、2021年9月にはCustellaのラインナップのひとつとして業種別消費レポート「Custella Trend」をリリース。キャッシュレスデータは、リアル店舗での消費とオンラインでの消費を幅広い業種や地域別などの切り口で俯瞰的且つ正確に捉えることが可能であることから。
今回その特別号として、顧客時間と高橋広行氏(同志社大学 商学部教授 博士(商学))の協力を得て、三井住友カードが保有するキャッシュレスデータをもとに、19年から21年の消費の伸び率などから独自のヒット消費番付を作成した。