シッピーノは、ECに特化したノーコードツール「TēPs (テープス)」の正式版の提供を開始した。Amazon セラーセントラル、楽天市場、Google スプレッドシートなどを自由につなぎ、固有の業務を自動化するツールをノーコードで作成できるというもの。
TēPsでは、APIを介してさまざまなシステムやサービスを接続し、実現したい事柄に合わせて、それぞれが持つ無数の機能やデータをパズルのように組み合わせて自在に利用することができる。組み合わせの柔軟性によって、既存のサービスだけではカバーできない領域を埋めるツールの作成が可能となる。
事業者ごとに商材・商流が大きく異なるEC業界には、既存のサービスでは解決できていない「事業者固有の業務」が数多く存在している。ECに取り組むにあたり利用する必要があるシステム(モール・カート・倉庫管理システムほか)間の連携不足により、売上・在庫・受注・発送といった重要なデータの処理や集計を手作業に頼っている例は多く、また業務効率化サービスを導入したとしても、その機能の限界により対応しきれない、細かな処理のための手作業が発生しているのが実情である。
また、物流倉庫や販路、商材や仕入れ先などを変えるたびに「事業者固有の業務」は新たに発生。それらの業務への対応のため、業務効率化サービスを頻繁に切り替えたり、多額な費用をかけてシステムを開発せざるを得なくなる例も後を絶たない。そこで、多額な費用や時間をかけずとも、変化に合わせて常に発生する「事業者固有の業務」をECの担当者自身で解決できるように、システムやサービスの機能を細かなパーツとして分解し、それらをブロックのように組み合わせることで、プログラミングの知識がなくとも求めるツールを自分でつくるためのサービスを提供することとなった。
具体例は次のとおり。
- Google スプレッドシート上の商品の販売価格情報をもとに、モールやカートなどECサイトでの商品販売価格を更新する
- 購入された商品の組み合わせによって、最安の発送方法を自動で設定する
- 受注に住所の不備があった場合、購入者に自動で修正依頼メールを送信し、回答があれば受注管理システムに自動で反映する
- Amazonが提供する在庫保管・配送代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」 の在庫数やAmazonでの売上をGoogle スプレッドシートで一括管理する
- Amazonにおけるカスタマーレビューが入ったら社内にチャットで通知する
事業者からの需要が多い業務フローについては、あらかじめテンプレートとして用意した。テンプレートを自社に合わせてアレンジすることで導入が容易になり、またユーザーに新たな発想がうまれるきっかけにもなる。
現在接続しているシステム・サービス
- Amazon セラーセントラル
- Amazon ベンダーセントラル
- 楽天市場 RMS
- Google スプレッドシート
- Gmail
- Google マップ
- LINE
- Slack
- Chatwork
- ネクストエンジン ほか(順不同)