ブランド横断検索で、新しい出会い・販売機会を逸しない
[.st]は、ローリーズファーム、グローバルワーク、niko and…など、18のアパレルブランドを取り扱う、アダストリア社のECサイトです。
おそらく多くのユーザーが、「[.st]サイトに行こう」よりも、「自分の好きなブランドで新しい服を買おう」という動機でサイトに訪れているはずです。
そんな[.st]のスマホECサイトで注目したいのは、「全ブランド一括検索」機能です。これにより、ユーザーはさまざまなブランドの商品と出会うことができますし、ブランドAのトップスが売り切れであっても、ブランドB,C,Dから好みのものを見つけられるかもしれません。
企業側は、別ブランドを訴求し、販売機会を逃さずに済みます。「会社として」ユーザーと、ECサイトで接点を持とうとしているわけですね。
ひとつ注文をつけるとすれば、「全ブランド一括検索」において商品カテゴリーの指定ができたほうが親切だと思います。
また、「ブランドの複合検索」もあったほうがいいのではないでしょうか。たとえば、あるユーザーが、ブランドAでトップスを探したけれども見つからず、「全ブランド一括検索」にたどりつき、知った名前のブランドがあった場合、「ブランドB,Cの複合検索」で探すシーンが想定できるからです。
さらに言えば、「全ブランド一括検索」からたどり着く商品詳細ページ、もしくはレコメンドアイテムのパーツは、別に用意してもいいかもしれません。現在、同一ブランドの商品が並ぶことが多いようです。
ブランドページから「全ブランド一括検索」に移動したユーザーは、好きなブランドでなくても、気に入ったものがあれば買おうという意向が強いと考えられます。そうしたユーザーに、今後さらにどのようなレコメンドがなされるのか、注目したいと思います。
検索結果ページからブランド横断検索への「控えめな」導線
あるブランドの商品カテゴリーを選び、検索結果一覧をスクロールしながら眺めていると、左下に「すべてのブランドから探す」が表示されるのも面白いと思います。
このメニューによって、検索結果一覧からブランド横断検索ページに遷移できます。この工夫も、顧客接点を保つことを狙った自然な導線だと考えます。
注目したいのは、一覧ページに遷移した時点では表示されておらず、ある程度スクロールすると、ポップアップとしてやや控えめに表示される点です。
一覧にたどり着いた時点では、ユーザーはそのブランドのアイテムを見たい、探したいと思っているはずですが、ページの下部までスクロールしているのは、そこまでの段階で欲しいものが見つかっていないからです。そこまでくれば、他のブランドもオススメするという導線も自然でしょう。
最初から表示されていると、ユーザー心理のギャップから、押し売りに感じてしまうユーザーもいるはずです。「すべてのブランドから探す」の配置ひとつにも、考えぬかれたユーザビリティを感じます。
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